Nature ハイライト

物理:実験で明らかになったコヒーレント量子位相スリップ

Nature 484, 7394

コヒーレント量子位相スリップ(CQPS)は、これまで実験で観測されたことがなかった。CQPSは、ジョセフソン効果と厳密に共役な現象だが、ジョセフソン効果は超伝導接触間の電荷のコヒーレント移動であるのに対し、CQPSは超伝導細線を横切る渦糸、あるいは磁束のコヒーレント移動である。今回、ループ中に挿入した強く乱れた酸化インジウム超伝導ワイヤーでCQPSを直接観測したことが報告された。この効果は磁束の数が異なる量子状態の重ね合わせを通して現れる。CQPSは、先に発見されたジョセフソン効果のように、超伝導エレクトロニクスや量子標準における斬新な応用につながりそうだ。

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