Nature ハイライト
古人類学:森の果実を楽しんだアウストラロピテクス
Nature 487, 7405

Credit : Amanda Henry
2008年に南アフリカで化石が発見されたアウストラロピテクス・セディバ(Australopithecus sediba)は約200万年前のヒト族で、ほかのアウストラロピテクス属や初期のヒト属に近縁である。その2体の化石について、安定同位体分析、歯の微小な摩耗パターン、歯石から抽出した植物微化石の分析を組み合わせた研究で、アウストラロピテクス・セディバは木の葉、果実、樹皮からなる食餌を取っていたことが明らかになった。このことから、彼らは森林環境に住んでいたものと考えられる。これは、初期ヒト族のほかの種について以前に報告された、開けたサバンナ地帯に住んでいたことを示唆する食生活とは対照的である。