Nature ハイライト
構造生物学:MATE薬剤輸送体の構造
Nature 496, 7444
MATE(multidrug and toxic compound extrusion; 多剤・毒性化合物排出)ファミリーの輸送体は、病原性細菌やがん細胞に多剤耐性を与える。濡木理(東京大学)たちは今回、超好熱古細菌(Pyrococcus furiosus)由来の、H+によって駆動されるMATE輸送体のX線結晶構造を明らかにしている。構造が解かれたのは、2つのアポ型コンホメーション、抗菌薬ノルフロキサシン誘導体が存在する場合の輸送体、それに新発見の3つの阻害性大環状ペプチド存在下での輸送体である。これらの一連の構造は、抗菌剤や抗がん剤への耐性に対抗できるMATE輸送体アンタゴニストの発見を促進するのに役立ちそうだ。
2013年4月11日号の Nature ハイライト
植物科学:分裂組織活性化における栄養素の役割
構造生物学:テロメラーゼの構造を解明
宇宙:土星の環と大気をつなぐ雨
物性:フォトニック・トポロジカル絶縁体
気候:北半球高緯度域の温暖化
気候:河川はどのように基盤岩を通って流れるのか?
生態:タンパク質をリサイクルする海洋古細菌
神経科学:相反する複数の神経入力が不安を生み出す
細胞:多能性はどれほど多能なのか?
構造生物学:MATE薬剤輸送体の構造