Nature ハイライト

進化:旧世界ザルと類人猿の初期の共存

Nature 497, 7451

漸新世に共存していた類人猿 <i>Rukwapithecus</i>(左前)と旧世界ザル <i>Nsungwepithecus</i>(右後方)の再現画像。
漸新世に共存していた類人猿 Rukwapithecus(左前)と旧世界ザル Nsungwepithecus(右後方)の再現画像。 | 拡大する

Credit: Mauricio Antón

ヒト上科(類人猿とヒトを含む)とオナガザル上科(旧世界ザル)の進化的分岐は3000万〜2500万年前に起こったことが、分子解析による証拠から示唆されているが、狭鼻猿類(オナガザル上科とヒト上科を含む)の化石は約2000万年前までのものしか見つかっていない。N Stevensたちは、旧世界ザルと類人猿のそれぞれについて、知られる中で最古の証拠を発見し、系統上の空白の一部を埋めた。これらの化石はステム群オナガザル上科およびステム群ヒト上科に属しており、発見された場所は、タンザニアの東アフリカ地溝帯の中で年代が2520万年前と正確に測定済みの地層である。この年代は漸新世の十分にさかのぼった時期に当たり、これによってヒト上科とオナガザル上科の共存が明らかな期間が大幅に延長される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度