Nature ハイライト
構造生物学:重要な細菌膜タンパク質の構造
Nature 501, 7467
グラム陰性細菌では、BAM(β-barrel assembly machinery)複合体が、栄養素の取り込み、シグナル伝達、運動、生存に必須のβバレル膜タンパク質の生合成を担っている。BAM複合体の主要な構成要素であるBamAとその相同体は、新たな薬剤やワクチンの重要な治療標的候補と考えられている。今回、S Buchananたちは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)と軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)由来のBamAの結晶構造を報告している。内部の空洞、狭まった疎水表面を持つ外側の縁、側方に開口部位があるリングといった特徴から、βバレル膜タンパク質が細菌外膜に挿入されると考えられる経路についての手がかりが得られる。
2013年9月19日号の Nature ハイライト
発生:ヒト脳の新しいモデル
細胞:ダウン症候群と過剰なUsp16との結びつき
構造生物学:重要な細菌膜タンパク質の構造
宇宙:銀河系中心の強力な磁場
工学:より簡単にした太陽電池
ナノ材料:金に匹敵する銀ナノ粒子
気候:太平洋の寒冷化が地球温暖化を休止させる
がん:老化がん細胞を補助的薬剤の標的とする
医学:トリパノソーマのAPOL1抵抗性
免疫:古代の免疫系を垣間見る