Nature ハイライト
Cover Story:臨界点:Shank3タンパク質は興奮と抑制のバランス維持と精神的健康に重要
Nature 503, 7474
シナプス足場タンパク質であるShank3をコードするSHANK3遺伝子の変異は、自閉症や知的障害、統合失調症と関連付けられているが、SHANK3の過剰発現の影響については、それほどよく分かっていない。今回、H Zoghbiたちは、マウスでのSHANK3過剰発現が、躁病に類似した行動や発作、ニューロン活動の興奮と抑制のバランスの変化を引き起こすことを明らかにした。マウスでのこうした結果と一致して、2人の多動性障害患者で、第22染色体上のSHANK3を含む領域に遺伝学的重複があることが分かった。これらの結果は、過剰発現の場合でも、発現不足の場合でも、不適切な遺伝子量は有害となると考える仮説を裏付けている。著者たちは、今回使われたマウスは、一部の双極性障害の薬理遺伝学的基盤のモデルになると考えている。
2013年11月7日号の Nature ハイライト
気候:気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか
神経科学:課題に関係した感覚入力を選択して統合する機構
構造生物学:ドーパミン輸送タンパク質の構造
ナノテクノロジー:新しいタイプの粒子加速器
応用物理学:自己組織化するマイクロロボットを目指して
化学:コロイドを使った磁場のマジック
進化生物学:違っている理由
神経科学:活動依存的なニューロン活性
細胞生物学:筋ジストロフィーにおけるジストログリカンの役割