Nature ハイライト
物性:WTe2の巨大な磁気抵抗
Nature 514, 7521
磁場を磁気抵抗物質に印加すると、その電気抵抗が変化する。これは技術的に有用な現象で、例えば、ハードディスクドライブのデータ読み出しセンサーに利用されている。今回M Aliたちは、磁気抵抗効果が異常に大きく、電気抵抗を1300万%以上も変化させることが可能な物質である二テルル化タングステン(WTe2)を発見した。非常に高い磁場および極低温で並外れた磁気抵抗が見られることははっきりしているが、実際の応用はまだ予想がつかない。しかし、この発見は、磁気抵抗の研究における新しい方向性を示唆しており、それは究極的にはこの効果の新しい使い方につながるだろう。
2014年10月9日号の Nature ハイライト
微生物学:人工甘味料の有害な影響
免疫:自然免疫ではカスパーゼがセンサーの役割を果たす
構造生物学:RNAのラリアット構造を解く
宇宙:超高輝度X線源を動かしているものは何か
物性:WTe2の巨大な磁気抵抗
顕微鏡学:電子顕微鏡内で振動分光
大気化学:中国の大気中の煙霧の原因は何か?
がん:CHARGE症候群は活性化したp53により促進される
構造生物学:Dis3l2の構造の解明