Nature ハイライト
メカノケミストリー:圧力下で制御される化学
Nature 554, 7693
メカノケミストリーは、反応物の添加ではなく機械的な力を用いた結合の活性化である。一般的にメカノケミストリーでは、引張応力の付加を利用して、機械的な力が加えられると反応する化合物であるメカノフォアの特定の結合を切断している。圧縮力の付加に応答する結合の形成や切断は、非常にまれである。今回N Meloshたちは、金属有機固体化合物では、試料全体を圧縮すると、異方性ひずみと酸化還元反応が分子レベルで生じ、これらは大きなリガンド基によって一方向に伝搬され、他の方向では柔軟なメカノフォアに吸収されることを示している。応力を散逸させたり伝達したりするための柔軟なリガンドと硬いリガンドの組み合わせをさらに開発することによって、試料に圧力を加えるだけで生じる、より洗練されたメカノケミカル反応や、おそらく逐次反応への道が開かれる。
2018年2月22日号の Nature ハイライト
神経科学:脳血管細胞の分子地図
構造生物学:イオンチャネルピエゾ1の構造と作動機構
天文学:銀河の周りにある塊状の異方的なガス
天文学:生まれたばかりの超新星
ナノスケール材料:複数のシナプスを模倣するメモトランジスター
メカノケミストリー:圧力下で制御される化学
微生物学:球菌の細胞分裂についての難問
がん:大腸がんにおける免疫療法の回避
がん:免疫療法に対する応答性の予測因子
細胞生物学:BRAF活性化にMEKが果たす非触媒的役割