日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―
1869年11月に創刊したNature は今年で創刊150周年を迎えます。
これを記念して、2019年4月4日に東京大学で記念シンポジウムを開催します。
日本は、研究において長い歴史を誇る国です。これまで積み重ねた成果を活かすことで、日本は基礎研究を再活性化し、若手研究者の真の可能性を引き出す機会を備えています。今こそ、日本の科学技術の未来を見据えて、持続可能で公正な社会の構築に注力するときです。人類と地球の未来に関する課題に優先的に取り組むことによって、日本は世界をけん引するモデルとなり、持続可能な開発目標(SDGs = Sustainable Development Goals)の推進において重要な役割を果たすことができます。
持続可能な開発目標を真に達成するには、学術界、企業、政策立案者、および市民社会が協力しながら、世界にとって最重要課題に取り組む必要があります。Nature とその出版社であるシュプリンガーネイチャーは、科学的な発見の進展と科学的根拠にもとづく持続可能な研究の普及をするうえで、重要な役割を果たしています。今回、Nature の創刊150年をきっかけに、日本を代表する研究者の方々と共に日本の科学に着目するとともに、これから私たちがどのように社会に貢献できるかについて、皆さまと活発な議論を重ねていきたいと思います。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。
ポスターセッションは安田講堂内の回廊にて行われますので、休憩時間にぜひお立ち寄りください。
日時 | 2019年4月4日(木) 受付開始 12:30 |
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会場 | 東京大学 本郷キャンパス 安田講堂 |
参加申込締切 | 2019年3月27日(水)17:00 または満席になり次第 |
参加者選定 | 先着順 |
参加費 | 無料 |
※ 本シンポジウムは英語で行われます。同時通訳はございません。 |
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参加登録は締め切りました。
プログラム
司会:Karl Ziemelis(Nature 物理科学分野編集長) | ||
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開催の挨拶 | 五神 真 |
東京大学総長 |
基調講演1 | 大隅良典 |
東京工業大学 科学技術創成研究院 栄誉教授 |
基調講演2 | 柳沢 正史 |
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授 |
基調講演3 | Magdalena Skipper |
Nature 編集長 |
ポスターセッション・ポスター審査 |
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ポスター優秀賞発表 受賞者プレゼンテーション |
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パネルディスカッション | 柳沢 正史 |
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授 |
Magdalena Skipper |
Nature 編集長 |
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相田 卓三 |
東京大学大学院工学系研究科 教授 |
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沖 大幹 |
東京大学 総長特別参与・サステイナビリティ学連携研究機構教授 |
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白波瀬 佐和子 |
東京大学 大学院人文社会系研究科教授 |
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※ 一部変更する場合があります。 |
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スピーカー・パネリスト(登壇順)
五神 真(ごのかみ まこと)開催の挨拶
東京大学総長
1980年東京大学理学部卒業、1982年同大学院理学系研究科物理学専門課程修士課程修了。1983年同博士課程退学。1985年理学博士(東京大学)。専門は光量子物理学。1998年東京大学大学院工学系研究科教授、2010年同理学系研究科教授、2012年同副学長、2014年同理学系研究科長を経て、2015年4月より現職。日本学術会議会員、未来投資会議議員、科学技術・学術審議会委員、産業構造審議会委員、知的財産戦略本部本部員などを務める。著書に『変革を駆動する大学:社会との連携から協創へ』(東京大学出版会)、『大学の未来地図:「知識集約型社会」を創る 』(ちくま新書)がある。
大隅良典(おおすみ よしのり)基調講演1
東京工業大学 科学技術創成研究院 栄誉教授
公益財団法人 大隅基礎科学創成財団 理事長
1945年福岡県生まれ。県立福岡高等学校を卒業後、1963年に東京大学に進学。同大学にて今堀教授に師事し分子生物学を専攻、同大学・大学院にて理学博士を取得。その後、1974年に米国のロックフェラー大学・エーデルマン教授の下で研究し1977年に帰国。帰国後は東京大学理学部で液胞の研究を行い、1988年に同教養学部でオートファジーに関する研究を開始し、1996年より基礎生物学研究所、2009年より東京工業大学で同研究を続け、オートファジーに関するメカニズム解明への寄与で、2016年にノーベル生理学・医学賞を単独受賞。現在も同研究を継続するとともに、2016年に大隅基礎科学創成財団を設立し理事長として、基礎科学の発展に努めている。2017年より東京大学特別栄誉教授。
柳沢 正史(やなぎさわ まさし)基調講演2
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長・教授
筑波大学博士課程修了後、テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授 兼HHMI研究員として24年間米国で研究室を主宰し、2012年より現職。大学院生の時に心血管系の重要な制御因子「エンドセリン」を世界に先駆けて同定、Nature で発表する。さらにテキサスでは覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。これらの発見は、現在臨床の現場で使われている新薬の開発に直接結びついた。その後も「現代神経科学最大のブラックボックス」と言われる睡眠の謎を解き明かすべく、睡眠の基礎研究に精力的に取り組んでいる。近年も眠気の実体に関わる2報の論文をNature に発表し、研究者だけでなく一般からの注目も集めた。
Magdalena Skipper(マグダレーナ・スキッパー)基調講演3
Nature 編集長
Nature の編集長およびネイチャー・リサーチの編集アドバーザー。
2001年にネイチャー・パブリッシング・グループ(現シュプリンガーネイチャー)に入社、Nature Reviews Genetics のチーフ編集長、Nature の遺伝学とゲノム科学分野のシニア編集長、Nature Partner Journalsのエグゼクティブ編集長およびNature Communications の編集長を務める。遺伝学を専攻し、英国ケンブリッジのMRC分子生物学研究所で性別決定に関する研究において、ケンブリッジ大学で博士号を取得後、ICRFラボラトリーズ(現在のCRUK)で研究を続け、その後科学出版業界に転身。後進の育成、透明性の高い科学、そして明快な科学コミュニケーションに情熱を注いでいる。 また、科学出版におけるイノベーションに強い関心をもっている。
相田 卓三(あいだ たくぞう)
東京大学大学院工学系研究科 教授
理化学研究所創発物性科学研究センター 副センター長
1984年、東京大学工学部にて高分子合成化学の制御をテーマに学位を取得し、その後、超分子科学とソフトマテリアルの研究分野に軸足を向け、現在に至る。カーボンナノチューブを高濃度に分散したイオン液体(バッキーゲル)、メソポーラスシリカの空孔を用いる押し出し重合、導電性自己組織化ナノチューブ、アクアマテリアル、生体分子機械の分子工学、自己修復樹脂ガラスなど、世界初の多様なソフトマテリアルを開発してきた。理化学研究所では、表面に無数のアニオンを有する金属酸化物ナノシートを二次元コロイドと見立てた新しいコロイド科学などを中心に多くの先駆的な研究を展開している。座右の銘は、Chance favors the prepared mind。
沖 大幹(おき たいかん)
東京大学 総長特別参与・未来ビジョン研究センター 教授
地球規模の水文学および世界の水資源の持続可能性を研究。気候変動に関わる政府間パネル(IPCC)第5次報告書統括執筆責任者、国土審議会委員ほかを務める。
東京大学工学部卒業、博士(工学)、気象予報士。2006年東京大学教授。2016年10月より国際連合大学上級副学長、国際連合事務次長補も務める。
生態学琵琶湖賞、日経地球環境技術賞、日本学士院学術奨励賞など表彰多数。水文学部門で日本人初のアメリカ地球物理学連合(AGU)フェロー(2014年)。書籍に『SDGsの基礎』(共著)、『水の未来 ─ グローバルリスクと日本 』(岩波新書)、『水危機 ほんとうの話』(新潮選書)、『水の世界地図第2版』(監訳)、『東大教授』(新潮新書)など。
モデレーター
白波瀬 佐和子(しらはせ さわこ)
東京大学 大学院人文社会系研究科教授
社会的不平等と少子高齢化論を専門とする社会学者。東京大学の国際担当副学長。1955年以来10年ごとに実施されてきた「社会階層と社会移動に関する全国調査」(SSM調査)の第7回目調査(2015年)の研究代表を務め、現在は同調査データを用いて少子高齢社会における階層構造に関する実証研究を進めている。英文書として、Social Inequality in Japan(2014, Routledge)やDemographic Change and Inequality in Japan(2011, Trans Pacific Press)がある。また、2018年より、国際社会学会(ISA)の副会長を務める。
司会者
Karl Ziemelis(カール・ジーメリス)
Nature 物理科学分野編集長
1992年にネイチャー・パブリッシング・グループ(現シュプリンガーネイチャー)に入社。1997年以降、現在までNature の物理科学の編集者を務めている。11人のアソシエイトおよびシニア編集者のチームを統括し、Nature の物理科学分野(天文学、物理学、材料、化学、地球および環境科学)に関する論文の出版に携わる傍ら、積極的にフリーランスの執筆活動も行い、Nature のニュースおよびNews and Views記事を寄稿したり、大衆向けの科学週刊誌New Scientist に執筆したりしている。ケンブリッジ大学で自然科学(物理学専攻)の学士号を取得した後、共役ポリマーの電子特性に関する独自の研究を4年間行っていた。
本イベントに関する質問
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