政策:官僚主義に拒まれる科学の国際協力
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Russia's bioweapons labs: Still out in the cold 西側諸国の研究者と旧ソビエト連邦の生物兵器研究者が協力しあえば、生物テロ対策が大きく進展し、またロシアで増大しつつある感染症問題への対処にも役立つ可能性がある。しかし、不信感と官僚主義がそれを妨げていると今週号のNews Featureは伝えている。生物テロに対する懸念が高まる中、かつて国営の製薬事業を装ってペスト、炭疽、天然痘などの細菌兵器を作ることに成功したロシアの科学者たちから、西側諸国が学ぶべきことは数多い。一方ロシアは、現在、結核やエイズなどの感染症の流行に悩まされている。関係者の専門知識をこうした感染症問題への取り組みに方向転換させるプロジェクトがあれば、ロシアにとって得るところは大きい。ロシアのかつての生物兵器研究所と米国の共同プログラムは実際に存在しているのだが、文化の違い、相互不信、制限的な規制が相まって、有望な研究への道が閉ざされている。
doi: 10.1038/423678a