Volume 435 Number 7043

Editorials

国際リニアコライダーの誘致は、米フェルミ国立加速器研究所の大胆な賭けだ。

All or nothing at Fermilab p.713

doi: 10.1038/435713a

京都議定書の次にくる地球温暖化防止策には、気候変動の研究の進歩が役立つはずだ。

the sequel p.713

doi: 10.1038/435713b

科学分野でも障害者が能力を発揮できるよう、もっと取り組みがなされるべきだ。

Talent worth nurturing p.714

doi: 10.1038/435714a

News

有料の大規模な化合物データベースを運営する全米化学会が、NIHの無料データベースを牽制する動き。

Chemistry society goes head to head with NIH in fight over public database p.718

doi: 10.1038/435718a

スイスの科学者たちが、スーパーコンピューターを使って精巧な脳モデル作成を計画。

Blue Brain boots up to mixed response p.720

doi: 10.1038/435720a

外来の雑草の繁茂によってアリゾナの砂漠火災が増加し、生態系破壊の恐れが。

Pall hangs over desertNULLs future as alien weeds fuel wildfires p.724

doi: 10.1038/435724b

News Features

フェルミ研究所:高リスク物理学

High-risk physics p.728

大型で高価な次世代加速器の誘致を決めたフェルミ研究所の意図をたずねる。

doi: 10.1038/435728a

宇宙生理学:横たわって科学を

Lie back and think of science p.730

無重力の体への影響を研究するため、2カ月間仰向けに寝たままで過ごす実験が行われている。

doi: 10.1038/435730a

気候変動:悪い予感

That sinking feeling p.732

シベリアの森林は大量の二酸化炭素を吸収してくれるが、温暖化が進んでもそれは続くのだろうか。

doi: 10.1038/435732a

News & Views

癌のゲノミクス:小さなRNAが与える大きなインパクト

Small RNAs with big impacts p.745

マイクロRNAはとても小型な分子だが、広範囲にわたる影響を与えることがある。それはこのRNAが多種多様な遺伝子の調節を行っているからだ。こうしたちっちゃな分子が癌の進行にもかかわっていることが今回はっきりした。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/435745a

有機化学:水の上で起こる高速反応

on water p.746

水溶液中での高効率の有機化学反応は、従来考えられていたように必ずしも可溶性の反応物質を必要としない。新たに開発された「水の上」でのプロトコルは、短い反応時間が特徴で、反応産物の単離は容易である。

doi: 10.1038/435746a

構造生物学:プリオンの構造を詮索

Prying into prions p.747

さまざまな異常型タンパク質が、盛んに研究されている。その構造を探るのは容易なことではないが、今回これに挑んだ研究が発表され、プリオンの生物学的な性質に関する情報が得られた。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/435747a

惑星科学:タイタンの明暗

Shades of Titan p.749

カッシーニ探査機に搭載された測定機器によって、土星の最大の衛星であるタイタンの様子がその濃い大気を通して撮影された。送られてきた画像からは、山稜や谷、おそらく氷に覆われた火山などの存在がうかがわれる。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/435749a

植物と菌類の関係:分枝網目構造ができるきっかけ

Cue for the branching connection p.750

植物の根は強力な分子を放出して、共生している菌類を活性化させ釣り合いのよい共生関係を開始させる。ところが、寄生性の雑草もこの同じ化合物を見つけて、植物にはあまり有益とはいえない目的に使っていることがわかった。今週のハイライト参照。

doi: 10.1038/435750a

計算科学:解答を得る

Can get satisfaction p.751

計算科学における一部の問題は極端に複雑であるため、計算機の処理能力が増大し続けているにもかかわらず、おそらく解かれることはないと考えられる。しかし、どんな条件下なら解答が存在するかは予測できることがある。Article, p.759 参照。

doi: 10.1038/435751a

解答を得る

p.751

"計算科学における一部の問題は極端に複雑であるため、計算機の処理能力が増大し続けているにもかかわらず、おそらく解かれることはないと考えられる。しかし、どんな条件下なら解答が存在するかは予測できることがある。Article, p.759 参照。"

doi: 10.1038/fake159

癌:離れたところに炎症を起こさせる

Inflammation by remote control p.752

不顕性癌の多くには慢性の炎症が潜んでおり、これが前癌状態の細胞を刺激して本格的な癌にする。こうした炎症を引き起こす火種は意外なところからくる。

doi: 10.1038/435752a

Articles

情報科学:困難な最適化問題における相転移の厳密な位置

Rigorous location of phase transitions in hard optimization problems p.759

doi: 10.1038/nature03602

生化学:酵母プリオンの構造に関する知見から、核形成と株の多様性が明らかになる

Structural insights into a yeast prion illuminate nucleation and strain diversity p.765

doi: 10.1038/nature03679

生化学:アミロイド様原繊維の持つクロスβ型背骨構造

Structure of the cross-β spine of amyloid-like fibrils p.773

doi: 10.1038/nature03680

生理:ミオシンVIモーターの構造から明らかになる方向性の逆転機構

The structure of the myosin VI motor reveals the mechanism of directionality reversal p.779

doi: 10.1038/nature03592

Letters

宇宙:超低温火山からと思われる揮発性ガスの放出を示すタイタンの近赤外線画像

Release of volatiles from a possible cryovolcano from near-infrared imaging of Titan p.786

doi: 10.1038/nature03596

エネルギー:温度を自己維持する高出力密度の微小固体酸化物燃料電池スタック

A thermally self-sustained micro solid-oxide fuel-cell stack with high power density p.795

doi: 10.1038/nature03673

物理:電離圏スポラディックE層の電光で誘起される増強

Lightning-induced intensification of the ionospheric sporadic E layer p.799

doi: 10.1038/nature03638

地球:過去200万年間の地磁気双極子磁場強度と逆転率

Geomagnetic dipole strength and reversal rate over the past two million years p.802

doi: 10.1038/nature03674

生態:種や機能群の減少が島の生態系の特性に及ぼす影響

Effects of species and functional group loss on island ecosystem properties p.806

doi: 10.1038/nature03611

生態:人口の高齢化につれて平均余命が延びる可能性がある

Average remaining lifetimes can increase as human populations age p.811

doi: 10.1038/nature03593

生態:自然界や社会の複雑なネットワークで重なり合う群集構造を見つけ出す

Uncovering the overlapping community structure of complex networks in nature and society p.814

doi: 10.1038/nature03607

植物:アーバスキュラー菌根共生における窒素輸送

Nitrogen transfer in the arbuscular mycorrhizal symbiosis p.819

doi: 10.1038/nature03610

植物:アーバスキュラー菌根菌の菌糸分岐を誘導する植物セスキテルペン

Plant sesquiterpenes induce hyphal branching in arbuscular mycorrhizal fungi p.824

doi: 10.1038/nature03608

細胞:ヒト癌遺伝子として働いている可能性があるマイクロRNAポリシストロン

A microRNA polycistron as a potential human oncogene p.828

doi: 10.1038/nature03552

遺伝:マイクロRNAの発現プロファイルで癌を分類

MicroRNA expression profiles classify human cancers p.834

doi: 10.1038/nature03702

細胞:c-Mycの調節を受けるマイクロRNAは転写因子E2F1の発現を調節する

c-Myc-regulated microRNAs modulate E2F1 expression p.839

doi: 10.1038/nature03677

生化学:HET-sプリオンの構造要素と感染性の関係

Correlation of structural elements and infectivity of the HET-s prion p.844

doi: 10.1038/nature03793

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