Nature ハイライト
Cover Story:木星の雷:木星の夜側における浅部の雷嵐
Nature 584, 7819
表紙は、木星の夜側の高高度の嵐に起因する小さな雷閃光の想像図である。木星では以前、深部の「大電流雷撃(スーパーボルト)」が観測されている。今回H Beckerたちは、NASAの探査機ジュノーに搭載された恒星参照ユニットカメラで得られた光学データを提示し、こうした閃光のエネルギーが地球の典型的な雷のものと同程度であることを明らかにしている。それらの持続時間はわずか5.4 msで、閃光の間隔は数十ミリ秒であることも見いだされた。観測された閃光の頻度は、これまでのものより1桁以上大きい。著者たちは、観測された閃光の一部は、液体の水の存在しない高度で生じていると指摘している。こうした「浅部の雷」は、これまで認識されていなかったアンモニアと水の雲の存在によって説明される。
2020年8月6日号の Nature ハイライト
有機化学:光を用いたアニリン合成
海洋科学:海洋熱波は熱環境を変位させる
考古学:3万年前までさかのぼるメキシコでの人類の居住年代
考古学:人類は2万6500年前には北米大陸に定着していた
発生生物学:胚発生では細胞のpHが運命を決定する
植物生物学:成長速度の調節
コロナウイルス:SARS-CoV-2中和抗体の単離
コロナウイルス:2つのヒトモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体の特性解析
遺伝学:クローン造血の構造パターンと選択圧を明らかにする
生化学:植物アルカロイドの生合成経路
構造生物学:SARS-CoV-2の複製