Nature ハイライト
ナノスケール材料:染色不要の光学的組織検査向けのプラズモニックスライド
Nature 598, 7879
今回E Balaurたちは、化学染色せずに、通常は半透明な組織試料に際立ったカラーコントラスト(色の対比)を付けることのできる手法を実証している。要となるアイデアは、顕微鏡用試料スライドの表面直下に薄い金属層を埋め込むことで、この金属層は、光が照射されると表面プラズモンポラリトンが励起されるようにパターン加工されている。励起モードの波長は局所的な誘電率に非常に敏感なため、透過光の色は、スライドの上に載っているものの誘電率に依存する。著者たちは、このプラットフォームを用いてさまざまな組織切片を調べ、今回の手法によって、追加の染色や標識化を必要とせずに、さまざまな細胞タイプと細胞内の特徴を眼で見て識別できるようになることを示している。こうしたスライドは、他の光透過性物質の研究にも用途を見いだせるはずである。
2021年10月7日号の Nature ハイライト
物性物理学:2層グラフェンにおける量子異常ホール効果
ナノスケール材料:染色不要の光学的組織検査向けのプラズモニックスライド
材料化学:効率の良い電極触媒反応のための表面ひずみの操作
気候科学:ニュージーランドにおけるマオリ人の定住によって急激に増加した南半球の大気中黒色炭素
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