Nature ハイライト

Cover Story:くちばしとかぎ爪:Venetoraptorの化石がもたらす初期の爬虫類の多様性に関する手掛かり

Nature 620, 7974

<i>Venetoraptor gassenae</i>の想像図。
Venetoraptor gassenaeの想像図。 | 拡大する

Credit: Caio Fantini

表紙は、約2億3000万年前に生きていた太古の爬虫類の一種Venetoraptor gassenaeの想像図である。恐竜類と翼竜類は、約2億〜7000万年前に、それぞれ陸と空を支配していたが、それらの進化的な祖先動物はよく分かっているわけではない。Venetoraptorは、翼竜類に既知で最も近縁の非飛行性動物群であるラゲルペトン類と呼ばれる爬虫類の仲間である。今回、R Müllerたちによってブラジルで発見された保存状態の良いVenetoraptorの部分骨格が報告されている。この化石には、歯のないくちばしや三日月刀に似たかぎ爪を持つ大きな手などの、独特な特徴がある。著者たちは、Venetoraptorと他の祖先動物の化石の間の形態学的相違は、祖先動物の間で多様性が広がり始めたのであり、恐竜や翼竜の出現のみによって起こったのではないことを示唆していると指摘している。

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