Nature ハイライト
Cover Story:キュービットの割り当て:量子誤り訂正のオーバーヘッドを90%削減する符号
Nature 627, 8005
誤りの蓄積は、量子コンピューターの使用を妨げる。誤りを検出し訂正するように回路を設計する方法はあるが、通常それには、かなりの数のキュービットが追加で必要になる。今回IBMの研究者たちが、量子コンピューターにおけるオーバーヘッドの低い誤り訂正のプロトコルを提示している。彼らは、それぞれがキュービットの小さな集合のみによって維持されるいくつかの対称性を監視して誤りを訂正する、低密度パリティ検査符号を用いた。この符号は、確立されている誤り訂正プロトコルと同じくらいうまく機能したが、重要なのはキュービットを約10分の1しか必要としなかったことである。これによって、誤り訂正量子コンピューターがこれまで当然と考えられていたよりもかなり小さくなる可能性がある。表紙は、それぞれのキュービットが他の6つと相互作用する必要がある、今回の新たなプロトコルに必要なキュービットの接続性を描いた想像図である。キュービットは、あたかもトーラスの表面に配置されているかのように接続されている。
2024年3月28日号の Nature ハイライト
有機LED:TADFベースの有機LEDの新しい性能指数
天文学:超新星2023ixfの周辺環境を明らかにする
天文学:中性子星の熱核爆発で生じるジェットの速さ
量子コンピューティング:1 Kを超える温度での高忠実度のキュービット操作
フォトニクス:円偏光の電気的制御
海洋科学:南極周極流の変化
自然災害:暑熱ストレスの社会経済的影響
考古学:人類は140万年前にヨーロッパに到達していた
進化学:ヌタウナギのゲノムで脊椎動物の初期進化を探る
神経回路:海馬台の凹細胞と凸細胞
神経科学:気道閉塞の検出に特化した迷走神経経路
血液学:マウス骨髄造血の画像化によるin situ解析
植物科学:相分離によるタンパク質凝縮を介した植物免疫の活性化
免疫学:疾患関連アストロサイトのエピジェネティック制御機構
免疫学:核内でのcGASの恒常的分解機構
分子生物学:複製時に親鎖ヒストンが再利用される構造的機構
生物工学:タンパク質ブロックを使ってナノ材料を容易に構築する
生物物理学:多重解像度シミュレーションによって作製されたビリオンの全原子構造モデル
微生物学:新規な酸素非発生型光合成細菌