Nature ハイライト

Cover Story:危険にさらされている昆虫:環境の人為起源の変化が無脊椎動物を脅かしている

Nature 628, 8007

表紙は、オオヨコバイ(Cicadella viridis)の写真である。今週号では5報の論文によって、昆虫の個体群が現在直面している環境課題が調べられ、影響が過小評価されている可能性がある重要な要因として気候変動が浮上している。J Müllerたちは、27年分の昆虫の生物量データを解析して、気候変動に伴う異常気象が温帯の昆虫の生物量に影響を及ぼし得ることを明らかにしている。M Kazenelたちは、気候変動に起因する温暖化が米国のハナバチ類の多様性を脅かしている可能性を見いだしており、G Ghisbaiたちの論文では、人為起源の環境変化によってヨーロッパのマルハナバチに適した生息域が大きく減少すると予測されている。ヨーロッパにおけるマルハナバチに対する農薬の使用の悪影響を調べたC Nicholsonたちの論文からは、また別の人類による影響が浮き彫りになっている。そして、R van Klinkたちの論文では、もともと個体数が多かった種の減少がどのように昆虫の喪失を駆動し得るかが調べられている。

2024年4月11日号の Nature ハイライト

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