Nature ハイライト
Cover Story:広範囲に生息した巨大四肢類:サンショウウオに似た化石動物によって拡大された初期の四肢類の地理的分布
Nature 631, 8021
表紙は、約2億8000万年前に生息していたサンショウウオのような大型の生物Gaiasia jennyaeの想像図である。今回C Marsicanoたちによって記載報告されているGaiasiaは、四肢を持つ脊椎動物の初期進化史における空白を埋めるものである。Gaiasiaは、ナミビアで発見された、頭蓋の複数の破片とほぼ完全な脊柱を含む、少なくとも4点の不完全な化石標本に基づいて特定された。Gaiasiaは異常なほど大きく、おそらく体長は約2.5 mに達し、獲物を捕らえるための強力な咬合力を有していた。これらの化石は、初期の四肢類のものとしては最大級であるだけでなく、それまでの種よりもはるか南で発見されており、このため、Gaiasiaのような生物はこれまで考えられていたよりもはるかに広い範囲に生息していたことが示唆された。
2024年7月18日号の Nature ハイライト
量子計測学:格子原子干渉計で重力を測定する
磁性:電子線ホログラフィーによる原子層磁場の直接観測
物性物理学:構造変調超格子におけるストライプ電子相
材料科学:ゲルを用いたタンパク質の封入と機械的放出
化学:化学反応ネットワークに基づくコンピューティング
化学合成:わずかな違いしかない2つの基を持つイミンの不斉水素化
生物地球化学:森林による炭素吸収の変化
生態学:熱帯林の劣化は予想以上に深刻だった
ゲノミクス:リジェネロン遺伝学センター100万エキソームデータの解析
植物科学:植物ゲノムへの正確なDNA組込みを可能にする新手法
神経生理学:アレルゲン誘発性過敏性の神経調節機構
認知神経科学:言葉の意味を符号化するニューロン
炎症:肺胞繊維芽細胞は幹細胞ニッチや損傷への応答の役割を担う
免疫学:TLR経路活性化におけるミッドソームの分子動態
細胞生物学:胚発生時の大規模な細胞死伝播の仕組み
がん治療:DNA修復因子のラクチル化はがん細胞の化学療法抵抗性に関与する
生化学:RNAとDNAに結合するHTHドメイン含有タンパク質はCRISPR系に対抗する
分子生物学:2つのタンパク質がセントロメア末端領域でのヘテロクロマチン形成を開始させる
創薬:μオピオイド受容体調節薬の開発