Nature ハイライト

Cover Story:海流の動向:人工衛星SWOTが前例のない精細さで捉えた海洋の渦と波

Nature 640, 8059

渦と呼ばれる円形の海流は、熱循環から栄養素の移動に至るまで、海洋の動態に大きな影響を及ぼす。メソスケール(100~300 km)の渦は比較的よく研究されているが、サブメソスケール(10~100 km)の渦を全球規模で観測・評価するのは非常に難しいことが分かっている。今週号ではM Archerたちが、人工衛星SWOT(Surface Water and Ocean Topography)による観測結果を報告し、海洋の動態を前例ないほど詳細に明らかにしている。SWOTは表紙の想像図のように、海面の特徴を二次元の帯状に捉え、1~10 kmの解像度で、サブメソスケールの渦だけでなく、海中の密度面に沿って伝播し混合において極めて重要な役割を果たす内部波の計測も可能にする。研究者たちは、これらのサブメソスケールの動きの振幅は非常に大きく、その結果、従来考えられていた以上に全球の海洋循環に大きな役割を果たしている可能性があることを示している。

2025年4月17日号の Nature ハイライト

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