Nature ハイライト

がん:B細胞リンパ腫でのCREBBPEP300の突然変異

Nature 471, 7337

B細胞リンパ腫の3つのサブタイプで、CREBBPおよびEP300の遺伝子の体細胞突然変異が原発腫瘍に頻発しており、また再発時にも変異が生じていることを、2つの研究グループが報告している。これらの遺伝子は、近縁関係にある2つのアセチルトランスフェラーゼをコードしており、このような酵素は主として、ヒストンなどの転写調節因子のアセチル化による遺伝子発現調節を行っている。突然変異によってこれらの活性が不活化され、遺伝子発現のクロマチンレベルでの調節や細胞増殖、またおそらくは抗がん剤に対する応答にも変化が生じることがわかった。これらの研究は、B細胞リンパ腫の一部に対してヒストンデアセチラーゼ阻害剤を用いることの根拠になると考えられる。

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