Nature ハイライト

気候:更新世の退氷の速さを決める仕組み

Nature 480, 7376

地球の気候の歴史の特徴である氷期サイクルは、地球の軌道の太陽に対する位置の変動によって速さが整調される。約100万年前の更新世中期には、氷期サイクルは、地球の傾き、つまり黄道傾斜角に見られるおよそ4万年周期の変動によって整調されていた。その後は、軌道離心率の10万年変動が支配的になったようである。黄道傾斜と歳差運動(公転軸の方向)の組み合わせが退氷を整調していると推測されてきたが、確かな定量的証拠は明らかになっていなかった。P Huybersは今回、年代測定と統計における進展を活用して、黄道傾斜角と歳差運動は確かに、同時に退氷を整調していることを示している。

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