Nature ハイライト
Cover Story:時間結晶:新しいエキゾチックな物質状態を初めて観測
Nature 543, 7644
表紙は、時間結晶の想像図。通常の結晶と同様に、時間結晶も高い構造秩序度を示す。しかし、通常の結晶の周期性は空間的要素の規則的な繰り返しから生じるのに対して、時間結晶は時間とともに同じ構造が繰り返し現れるエキゾチックな物質状態である。時間結晶は数年前に予測されたが、実験的な実証はこれまでできなかった。今回、2つのグループが、この捉えどころのない物質形態を実験的に観測したことを示す証拠を提示している。M Lukinたちは、実験プラットホームとしてダイヤモンドの窒素空孔系を用いて、離散的な時間結晶を作り出しており、J Zhangたちは、相補的な論文において、捕獲イオンを用いて同様の成果を得ている。こうした時間結晶はロバストな量子メモリーに応用できる可能性がある。
2017年3月9日号の Nature ハイライト
考古学:シルクロードの謎を解く
遺伝学:長鎖ノンコーディングRNAのカタログ
幹細胞:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される
分子生物学:TIRRによる二本鎖切断修復の調節
ナノ科学:単一原子の読み書き
地球科学:初期大陸は沈み込みによって形成されたのではない
微生物学:ボルバキア菌による昆虫の生存操作
ワクチン:mRNAワクチンでジカウイルスを打ち負かす
免疫学:組織常在型記憶T細胞は外来性脂質を取り込んでいる
細胞生物学:核ラミナの構造