Nature ハイライト
Cover Story:研究のエコロジー:小さなチームは破壊によって、大きなチームは統合によって科学技術を進歩させる
Nature 566, 7744
研究のエコシステムは進化している。科学技術の多くの分野では、大きなチームが増えており、こうした協働的なアプローチは、大きなチームでなければ実現が難しかった進歩に役立っている。しかし、小さなチームと比べて大きなチームがどのように機能しているのかという疑問が残る。今回J Evansたちは、小さなチームと大きなチームは、研究開発の全体像において異なるニッチを占める傾向があることを明らかにしている。著者たちは、1954〜2014年の6500万を超える論文、特許、ソフトウエア製品を分析し、それらの論文や製品が、どの程度、新しい方向性のもの、あるいは以前の研究や製品の改良と見なされるかを評価した。その結果、より小さなチームは、例えば表紙の少数のサメのように、新しいアイデアや設計、アプローチで科学技術を破壊する傾向が強いことが見いだされた。対照的に、より大きなチームは、表紙の小さな魚のように集合して、既存のアイデアを統合し発展させる傾向があった。著者たちは、革新を持続させ、科学技術が繁栄する健全なエコシステムを維持するには、両方のアプローチが必要であると示唆している。
2019年2月21日号の Nature ハイライト
神経科学:刺激で恐怖記憶を消す
免疫学:繊維化を指揮する
惑星科学:海王星の新たな内衛星ヒッポカンプ
核物理学:EMC効果、再び
量子物理学:導波路と結合した単一の原子集団励起
ナノスケールデバイス:Wi-Fiで電子デバイスに給電
代謝:健全な睡眠習慣がアテローム性動脈硬化症を防ぐ可能性
免疫学:ヒトの適応免疫レパートリーの多様性
免疫学:ヒトの免疫レパートリーの解析
がん:脂肪酸代謝の新しい経路
生物物理学:移動方向を逆転させて、動き方を解明