Nature ハイライト
Cover Story:皮膜の翼:Ambopteryxのコウモリの翼に似た皮膜によって見直される恐竜の飛行の進化
Nature 569, 7755
表紙は、新たに発見された恐竜Ambopteryx longibrachiumの想像図である。今回M Wangたちは、約1億6300万年前の後期ジュラ紀にさかのぼるAmbopteryxの化石について報告している。Ambopteryxは、長い手指を持つ樹上性の小型羽毛恐竜として描かれることの多い、スカンソリオプテリクス類の恐竜である。しかし、Ambopteryxは他のスカンソリオプテリクス類とは異なり、羽毛と、尖筆状突起(styliform element)と呼ばれる副骨によって支持されるコウモリに似た皮膜状の翼の両方の証拠を有している。皮膜状の翼は、2015年に発見されたイー(Yi qi)で最初に認められ、かなりの物議を醸して以来、今回が2例目となる。Ambopteryx の発見は、イーが例外ではなかったことを示しており、スカンソリオプテリクス類が、羽毛に加えて一般的にコウモリのような翼も有していた可能性を提起している。
2019年5月9日号の Nature ハイライト
核物理学:固体キセノン中のバリウム原子を見つける
ナノテクノロジー:脳に着想を得た光コンピューティング
地球水文学:人為的な河川系の改変によって劇的に減少した自由に流れる河川の数
幹細胞:骨髄環境を単一細胞レベルで特徴付ける
神経科学:熱産生脂肪組織の神経支配機構
電池:グラファイトインターカレーションカソードの大容量化
肥満:農村部と都市部での肥満の比較
分子生物学:液–液相分離の制御因子
がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける
分子神経科学:プロトカドヘリンを介したニューロンの自己認識機構
構造生物学:分子レベルでの不眠症治療薬の設計