Nature ハイライト
Cover Story:二重の制御:脳型回路と機械学習過程を組み合わせたハイブリッド型AIチップ
Nature 572, 7767
現在、汎用人工知能を開発する取り組みは主に2つある。1つは、神経科学に基づく、脳を厳密に模倣する回路を構築する試みで、もう1つは、コンピューター科学に基づく、コンピューターを用いた機械学習アルゴリズムの実行である。今回L Shiたちは、この2つの方法を統合して1つのハイブリッド型プラットフォームにした電子チップであるTianjicチップについて報告している。このTianjicチップには、容易に再構成できる複数の機能コアがあり、機械学習アルゴリズムと脳型回路の両方に対応できる。著者たちは、Tianjicチップを無人自律自転車に組み込むことによって、今回の方法の可能性を実証している。Tianjicチップは汎用アルゴリズムやモデルを同時に処理できるため、この無人自律自転車は自らバランスを取ることができ、音声制御が可能で、障害物を検知して回避できる。
2019年8月1日号の Nature ハイライト
気候科学:エアロゾルが雲の厚さに及ぼす影響はわずかである
感染症:蚊の侵入種の野外におけるほぼ完全な除去
生理学:脳脊髄液排出のホットスポット
構造生物学:Gタンパク質の活性化を見る
光物理学:ポラリトン–ポラリトン相互作用を増強する
物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける分光観測
医学研究:臨床で急性腎障害を予測する
遺伝学:先天性筋ジストロフィーの治療にCRISPRを使う
植物科学:免疫に関連するカルシウムシグナル伝達の解明