惑星科学:木星のジェットが木星の内部を解明するための貴重な知見をもたらす
Nature
木星の赤道近くに位置し、強い磁場を持つ「大青班」の磁場の変動について報告する論文が、今週、Natureに掲載される。この論文に示された詳細な説明は、NASAの木星探査機「ジュノー」による観測結果に基づいており、巨大ガス惑星である木星の内部を詳しく解明するための重要な知見となる可能性がある。
惑星の磁場は、その惑星の深部の動態を研究する手段をもたらす。木星の磁場が変動することはこれまでにも観測されており、赤道付近を流れるジェットによるものと考えられている。しかし、このジェットの詳細な内容は正確に分かっていない。こうした詳細が解明されることは、木星内部の動態を理解する上で極めて重要だ。
今回、Jeremy Bloxhamらは、ジュノー探査機による大青班の磁場観測の結果を解析することで、木星の大気の深い部分を流れるジェットが約4年の周期で変動していることを明らかにした。そしてBloxhamらは、この知見は、木星の金属核にねじれ振動(木星の自転軸を中心とした振動)という磁気的な波またはアルヴェーン波(磁力線に沿って伝播する波)が存在することを示していると述べている。Bloxhamらは、このような詳しい説明は、これまで知られていなかった木星内部の動態を詳しく解明する道を開き、木星の磁場を生成するダイナモの理解に役立つ可能性があると結論付けている。
doi: 10.1038/s41586-024-07046-3
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