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  • SARS-CoV-2ワクチンの開発競争を注視する

    COVID-19対策として、ワクチン候補群の臨床試験が記録的な速さで進んでいる。今回、2つのRNAベースワクチンの初期段階の臨床試験結果が報告された。このワクチンにより、好ましい免疫応答と安全性プロファイルが得られることが示唆されたが、課題も残されている。

    2021年1月号

  • 地球マントル内の融けた岩石の分布を解明

    地球の上部マントル内の融けた岩石(メルト)の位置と量が、地震波データの分析で分かった。この研究結果は、メルトの位置や量と地球のプレート運動が関係していることを示唆している。

    2021年1月号

  • がんの形はどのようにして決まるのか

    異なる遺伝子変異によって発生した皮膚がんは、それぞれ特徴的な組織形態と異なる転帰を示す。悪性度の低い腫瘍と高い腫瘍の構造を解析することで、機械的力がどのようにして腫瘍の形態と転帰を決めているのかが明らかになった。

    2020年12月号

  • 高温に対する植物の応答には相分離が必要である

    温度は植物の地理的分布やその成長・発生速度を決定付けているが、植物がどのように高温を感知して応答を行っているのかは不明だった。今回、この応答性の背後にある過程が明らかにされた。

    2020年12月号

  • エイズを発症しない人々のHIVゲノムは深い眠りについている

    HIV感染者のごく一部は、抗レトロウイルス療法を受けなくてもウイルスを制御し続けている。今回、こうした人々では、宿主ゲノムに組込まれたウイルスDNAが完全に転写抑制された状態にあることが分かった。

    2020年12月号

  • 「逆さまに浮く」現象を振動で実現

    空気・流体系を垂直に振動させると、流体の層を空気の層の上に浮かべることができることが分かっている。今回、この振動で浮かべた流体層の下側の、流体と空気の界面で、「反重力」が働いているかのように物体を「逆さまに浮かべる」ことができることが分かった。

    2020年12月号

  • 一方向だけの超伝導を実現

    ある方向の電流を流すと超伝導状態になるが、その逆方向の電流を流すと超伝導状態にならない(常伝導になる)薄膜が作られた。これは、電力消費が極めて低い電子工学素子の実現につながるかもしれない。

    2020年11月号

  • タンパク質分解誘導薬の適用範囲が広がった

    細胞の内部でタンパク質の分解を誘導する分子は、これまでにも作製されている。今回、新しいクラスの分子によって、膜タンパク質や細胞外タンパク質の分解が誘導可能になり、創薬への道が開かれた。

    2020年11月号

  • 芳香環から出発しない型破りなアニリン合成法

    ベンゼン環などの芳香環を含む有機化合物の合成では、既存の芳香環を構成要素として、そこから分子を組み立てることが多い。今回、芳香環を反応の過程で形成するという革新的な方法で、極めて有用なアニリン類を合成できることが示された。

    2020年11月号

  • 免疫系の謎を突き付けるCOVID-19

    重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫応答が、人により大きく異なる理由は分かっていない。患者の免疫応答を経時的に追跡する新たな研究により、この問題に対する手掛かりと、重症度を予測する方法に関する示唆が得られた。

    2020年11月号

  • 岩石の風化で大気中のCO2が除去される

    岩石の風化を促進することによって、大気中の二酸化炭素が大量に除去される可能性がある。現在この方法は、コストとCO2除去能力の面で、他の戦略と同じくらい有望のようだ。

    2020年10月号

  • 量子揺らぎが巨視的物体の位置を変える

    重力波検出器による精密測定を本来の限界を超えて改善する方法が報告された。また、量子揺らぎは巨視的物体の位置を変えることができることが示された。

    2020年10月号

  • 自己集合でナノスケールのポリカテナンを合成

    今回、非共有結合性の相互作用を利用した分子の自己集合により、ナノスケールの非常に大きな鎖状分子が合成された。この方法では、これまでは難しかった最終生成物のトポロジー制御が可能で、特定の構造を狙い通りに合成することができる。

    2020年10月号

  • 老化細胞を標的とするように設計されたT細胞

    老化は細胞の加齢の特徴であり、多くの疾患に関与している。老化細胞を標的とする免疫細胞によって老化細胞を除去する新しい方法は、治療選択肢を改善できる可能性がある。

    2020年10月号

  • 毛の生えたヒトの皮膚を人工的に培養

    未分化のヒト幹細胞がin vitroで皮膚様組織に成長した。この組織をマウスに移植すると毛が生えてきたことから、このアプローチは再生医療に応用できる可能性がある。

    2020年9月号

  • 最初に合成された遺伝子アルファベットの有力候補

    前生物時代(生命誕生前)の地球における核酸の起源の解明は、長年の課題である。今回、最新の実験によって、最初の核酸は、RNAサブユニットとDNAサブユニットが混ざった「アルファベット」を用いて情報をコードしていたという考えが裏付けられた。

    2020年9月号

  • 衛星による1000km超の量子鍵配送を達成

    量子鍵配送は、安全な通信を保証できる暗号技術だ。長距離の量子鍵配送が、信頼できる中継装置の必要性なしに可能であることが、人工衛星を使った実験で示された。

    2020年9月号

  • 航空ライダー調査によるマヤ文明初期の大公共建築の発見

    ライダー技術の応用で、裸眼での天体観測に使われた巨大な建造物が、意外にも古代マヤ文明の初期に作られていたことが明らかになった。これは、マヤ社会の発展についてのこれまでの概念を塗り替えるものである。

    2020年9月号

  • ヒトゲノムを解明する能力が一段と向上

    ゲノム塩基配列を解読および解析する大規模なプロジェクトで、ヒトの遺伝的多様性を解明するためのこれまでで最も包括的なデータセットとツールが得られた。この情報資源はあらゆる分野の生物学者にとって非常に有益である。

    2020年8月号

  • 100%に近い効率で水を分解する光触媒

    太陽光を使って水から直接に水素を作る取り組みは、このプロセスを促進する触媒の効率が低いことが課題だった。今回、ほぼ完全な効率を持つ触媒の作製が可能であることが、1つのモデル系で示された。

    2020年8月号