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  • アルツハイマー病では脂質担体が血液脳関門を破壊する

    APOE4遺伝子バリアントを持つ人は、アルツハイマー病を発症するリスクが平均より高い。今回、このバリアントが、血液脳関門の異常とその後の認知機能低下に関連していることが明らかになった。

    2020年8月号

  • 半球形の網膜でできた高性能の人工眼球

    ヒトの網膜に似た半球形の基板にナノメートルスケールの光センサーを高密度に組み込んだ、画期的な生体模倣眼球が開発された。このデバイスには、ヒトの眼に匹敵する数々の視覚能力が備わっている。

    2020年8月号

  • 物質と反物質の非対称性が見えてきた

    鏡の中の世界の反粒子は、こちらの世界の粒子と同じように振る舞うはずだと考えられていた。しかし、レプトン(ニュートリノや電子など)は、この予想に従わないかもしれないことが分かった。

    2020年7月号

  • 死にゆく細胞からの代謝メッセージ

    アポトーシスと呼ばれる過程によって起こる細胞死では、周囲の組織の炎症が抑制されている。今回、アポトーシスを起こして死にかけている細胞が、機能的な代謝分子混合物を放出することが見いだされ、どのようにして周囲の生きている細胞に影響を及ぼしているのかが明らかになった。

    2020年7月号

  • 細菌に起因する変異シグネチャーを大腸がんで同定

    DNAを損傷する分子を産生する腸内細菌と大腸がんとの関連性が指摘されている。これらの細菌によって引き起こされる変異シグネチャーがヒト大腸がんで同定されたことは、この関連性を支持する知見だ。

    2020年7月号

  • 光励起による強力な還元剤の生成

    電気的に中性なラジカルを光で励起すると、強力な化学還元剤になることが見いだされた。意外にもこのラジカルは、強力な励起状態酸化剤として長く使用されてきた、正電荷を持つ前駆体から生じる。

    2020年7月号

  • 植物が過酸化水素シグナルを感知する仕組み

    細胞表面で過酸化水素を検知するセンサーが発見され、植物細胞が環境ストレスを感知して応答する機構についての手掛かりが得られた。

    2020年6月号

  • ヒトの足のアーチ構造と剛性の進化

    ヒトの足に剛性を付与している重要な構造は縦方向のアーチである、とこれまで考えられてきた。このほど、横方向のアーチがヒトの足の剛性の進化において中心的な役割を果たしてきたという研究結果が発表され、注目を集めている。

    2020年6月号

  • 38億年前の岩から見つかった地球の材料のヒント

    地球を作った構成要素を地球の岩石から突き止めることは難しい。地球の材料は、地球の進化とともに混ざってしまっているからだ。古代の岩石の中から未知の構成要素の証拠が得られ、地球の材料についての理解が進んだ。

    2020年6月号

  • 家禽類の祖先が示す現生鳥類の初期進化

    ベルギーで、約6670万年前の新種の化石鳥類のほぼ完全な頭蓋が発見された。家禽類の祖先ともいえる独特な特徴を備えたこの化石は、現生鳥類の出現時期と多様化のタイミングを知る上で、これまでで最も優れた証拠となる。

    2020年6月号

  • 張力のかかった細胞の代謝が速い理由

    腫瘍は正常組織よりも硬いことが多く、グルコース代謝が異常に速い。今回、こうした2つの特徴の間には関係があり、細胞のタンパク質繊維のネットワークの張力が関与していることが分かった。

    2020年5月号

  • タンパク質の構造を使って病気を診断

    パーキンソン病と多系統萎縮症には、α-シヌクレインと呼ばれるタンパク質が関わっている。凝集したα-シヌクレインがこれら2つの疾患で異なる構造をとることが証明されたことから、α-シヌクレインの立体構造がそれぞれの疾患の特徴の基盤となっていると考えられる。

    2020年5月号

  • 三角形でトポロジカルなレーザー

    量子カスケードレーザーと呼ばれる素子は、有用なテラヘルツ放射を作るが、その性能は通常、製造上の欠陥に非常に敏感だ。今回、この制約が、トポロジカル・ロバスト(頑健)性と呼ばれる性質を使って克服された。

    2020年5月号

  • 国際的ながんゲノム解析プロジェクトの大きな成果

    大規模な国際共同研究で、38種類の腫瘍に由来する2600例以上の全ゲノム情報について多面的な解析が行われ、がんの遺伝学的な基盤を解明するための多くの手掛かりが得られた。

    2020年5月号

  • 免疫療法の最前線に位置するB細胞

    このほど3つの研究から、免疫療法を受けた患者の良好な転帰に関連する免疫の2つの重要な構成要素が明らかになった。それは、B細胞と、それを含む三次リンパ組織様構造である。

    2020年4月号

  • 結核ワクチンの効果的な接種経路は?

    結核の予防に広く使われているワクチンは、通常は皮内接種されているが、静脈内接種することで効果が大きく改善され、ほぼ完全に結核を予防できることが分かった。

    2020年4月号

  • 宇宙の暗黒時代を銀河団で調べる

    遠方の銀河団の観測で、そこではビッグバンからわずか3億7000万年後に星形成が始まったことが分かった。この観測結果は、最初の星と銀河は、宇宙のどこでいつ現れたのかについて重要な手掛かりを与えてくれる。

    2020年4月号

  • 有用な二次元材料の汎用的な作製法

    有用で安定な二次元材料を容易に作製できる、汎用的な方法が開発された。この方法は工業スケールに拡張できる可能性があり、二次元材料の市場進出への重要な足掛かりになると期待される。

    2020年4月号

  • 量子ゆらぎによる熱伝達を観測

    真空の隙間で隔てられた2つの物体間で、量子ゆらぎによる熱輸送が可能であることが実験で示された。この効果は、ナノスケールの素子での熱伝達やその制御に利用されるかもしれない。

    2020年3月号

  • 既製の細胞性の栓が皮膚創傷を治す

    皮膚下の繊維性組織からなる薄い層には、すでに出来上がっている可動性の細胞シーラントが含まれており、それによって深い創傷が治癒するという研究結果が報告された。この知見は瘢痕や潰瘍の治療に役立つ可能性がある。

    2020年3月号