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  • 太陽の秘密に間近で迫る

    米航空宇宙局(NASA)の太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブは2018年に打ち上げられ、太陽の周りの楕円状軌道を回って太陽に何度も接近しながら観測を行っている。パーカー・ソーラー・プローブの最初の観測結果が報告され、太陽とその周囲の環境に関する理解が深まった。

    2020年3月号

  • 細菌の外膜を標的とする新しい抗生物質

    グラム陰性細菌がグラム陽性細菌に比べて抗生物質に対して抵抗性を示すのは、外膜と内膜という二重の膜によって守られているからだと考えられている。実際に、いくつかのグラム陰性細菌は抗生物質による治療が困難だ。今回この障壁を克服できる複数の化合物が作り出された。これらの化合物はおそらく、外膜の重要なタンパク質を標的としている。

    2020年3月号

  • 陽子半径の謎に進展

    ミューオン水素の分光で得られた陽子半径の測定値は、それまでの陽子半径の測定結果と食い違い、議論を巻き起こした。今回、通常の水素を使った陽子半径の精密な測定が、原子物理学と原子核物理学の手法でそれぞれ行われ、いずれもミューオン水素で得られた結果と一致した。

    2020年2月号

  • V(D)J組換えとクラススイッチを支配するのは1つの環

    免疫系のT細胞受容体や抗体をコードする多様な遺伝子は、離れた場所にあるDNA領域が並置されて、連結される組換えが起こることで形成される。今回、B細胞受容体のV(D)J組換えと抗体のクラススイッチ組換えのどちらもが、コヒーシンと呼ばれるタンパク質の環を介した DNAの突出に依存して起こるらしいことが分かった。

    2020年2月号

  • 細胞を保護する強力なシステムが明らかに

    フェロトーシスと呼ばれるタイプの細胞死を防ぐメカニズムが発見されたことで、生体膜の至る所に存在する保護的な成分の再生システムが明らかになり、抗がん剤の標的となる可能性がある。

    2020年2月号

  • 2020年1月号

  • 喫煙と糖尿病を結ぶ経路が明らかに

    脳内でのニコチンに対する反応と膵臓での糖代謝をつなぐシグナル伝達経路が発見された。これは、喫煙により糖尿病発症リスクが高まる理由を解明する手掛かりとなる。

    2020年1月号

  • 神経興奮は寿命を短くする

    神経系から発せられる信号は強力な寿命調節因子である。今回、全体的な神経興奮も寿命の重要な決定要因であるらしいことが明らかになった。

    2020年1月号

  • 代謝と遺伝子を結び付ける乳酸

    細胞では、ヒストンタンパク質の化学的修飾により、遺伝子発現の一部が調節される。今回、乳酸分子に由来するラクチル化が発見され、細胞で遺伝子発現と栄養の代謝を結び付ける経路が明らかになった。

    2020年1月号

  • 小地震も大地震も始まりは似ている

    小さな地震と大きな地震の始まりは、よく似ているのか、あるいは異なっているのか、という問題は、地震学の長年の課題だ。日本周辺の地震を分析した結果、一部のケースでは、小さな地震と大きな地震の始まりはほぼ同一であることが分かった。

    2019年12月号

  • オンラインヘイトの力学

    ソーシャルメディアプラットフォームにおけるオンライン上のヘイトグループの力学の分析から、ヘイトスピーチを禁止する現行のアプローチではうまくいかない理由が明らかになり、オンラインヘイト撲滅に有効な可能性のある4つの戦略の基礎が示された。

    2019年12月号

  • フッ素とアミド基の連続導入に成功

    これまで合成が不可能だった、フッ素原子とアミド基を近接して持つ化合物群の実用的な合成法が考案された。この反応は、創薬分野で大いに役立つ可能性がある。

    2019年12月号

  • 植物が塩を感知する仕組み

    土壌中の高濃度の塩は、植物の成長に有害であり作物の収量を制限する。塩の感知、および耐塩性を導くカルシウムシグナルの発生に、塩と結合する膜脂質が極めて重要であることが明らかにされた。

    2019年11月号

  • 自己免疫疾患を抑制する制御性CD8 T細胞

    CD8 T細胞と呼ばれる免疫細胞は、通常、病原体を殺傷するが、今回、自己反応性CD4 T細胞を抑制する亜集団の存在が示された。この細胞集団は、マウスを自己免疫疾患から防御していた。

    2019年11月号

  • ニッケル酸化物の超伝導

    銅酸化物の超伝導の原因は、磁性だけであると考えられていた。今回、銅酸化物に結晶構造が似た非磁性化合物において超伝導が見いだされ、こうした考えに疑問が投げ掛けられた。

    2019年11月号

  • 瞬く間で細胞コミュニケーション

    原生生物と呼ばれる単細胞生物の体は、超高速で収縮することができる。収縮で生じる周囲の液体の流れが近くの原生生物の連鎖的な収縮を引き起こすことが、分析によって明らかになった。

    2019年10月号

  • 老化した脳ではT細胞が神経幹細胞を抑制

    加齢に依存した環境変化により、幹細胞の機能が低下する可能性がある。このほど、老齢マウスの脳ではT細胞が浸潤し、それにより神経幹細胞が機能不全に陥っていることが分かった。この知見から有望な治療標的が示された。

    2019年10月号

  • 代謝シグナルががん細胞の移動を抑制する

    転移、つまり腫瘍細胞が原発部位から移動することは、予後不良と関連している。細胞代謝の際に作られる分子(代謝物)が転移を制限し、がんの進行を抑制することが明らかになった。

    2019年10月号

  • 極北のヒト系統

    最終氷期、人類はシベリア北東部からアメリカ大陸に達した。古代人と現代人のゲノムを解析することにより、それらの地域に存在した人々の集団史が明らかになった。

    2019年9月号

  • いたずらな微生物

    細菌が医薬品を代謝できるかどうか、さまざまな腸内細菌と広範な種類の医薬品について試験したところ、全ての細菌が複数の医薬品を代謝し、さらに、半数を超える医薬品が代謝されることが分かった。

    2019年9月号