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  • プレートテクトニクスの発展に堆積物が貢献

    地球のプレートテクトニクスの出現と発展は、大陸の隆起と、大陸縁と海溝での堆積物の蓄積が関係していたという、斬新なアイデアの証拠を与える研究結果が報告された。

    2019年9月号

  • 室温に近い超伝導

    電気抵抗ゼロで電流が流れる現象、超伝導を室温で示す物質を、研究者たちは1世紀にわたって探し続けてきた。今回、これまでで最も高温の約250ケルビン(K)での超伝導を裏付ける実験結果が得られた。

    2019年8月号

  • なぜ褐色脂肪には多くの神経が分布しているのか

    哺乳動物の褐色脂肪は、熱を発生させることで、蓄積されていたカロリーを燃やす。この過程は、褐色脂肪組織に侵入している神経によって制御される。褐色脂肪の神経分布と熱発生を調節するタンパク質が発見された。

    2019年8月号

  • コドンを修正した大腸菌ゲノムの全合成

    アミノ酸をコードするコドンの種類を通常より少なくした、これまでで最大の合成ゲノムが作製された。この成果により、非天然のアミノ酸残基を含むタンパク質をゲノムにコードできる可能性が高まった。

    2019年8月号

  • タンパク質でできたアルキメデスの立体

    天然のタンパク質を改変して金属と相互作用させることで、生体分子では前例のない特異な構造を持つケージ状集合体が作製された。

    2019年8月号

  • サンゴの共生には3種の生物が関与

    DNA解析と顕微鏡観察から、サンゴの共生に第3の生物が関わっていることが明らかになった。多くの生態系を支える共生関係の機能や進化の複雑さを改めて浮き彫りにする知見だ。

    2019年7月号

  • 暗黒物質検出器が極めて稀な原子核崩壊を観測

    宇宙の「行方不明の質量」であるダークマター(暗黒物質)を探すために設計された、液体キセノンを用いた検出器が、「2ニュートリノ二重電子捕獲」と呼ばれる稀な原子核崩壊を観測した。この結果は、原子核物理学と素粒子物理学に密接に関係する。

    2019年7月号

  • アンモニア合成の新たな道

    肥料の原料となるアンモニアは人間社会にとって不可欠だが、その製造にはエネルギーの大量消費、二酸化炭素の大量排出、多額の初期設備投資が伴う。今回、常温常圧で進む興味深い反応が開発されたことで、エネルギー効率の高い代替アンモニア合成法が実現される可能性が示された。

    2019年7月号

  • ノックアウトよりもノックダウンの方が影響が出る訳

    コードされたタンパク質の短縮を引き起こす遺伝子変異(ナンセンス変異)は、関連遺伝子の発現を誘導する場合があることが分かった。この補償応答の発見は、ヒトやモデル生物の遺伝学的研究に関するこれまでの考え方を変えることになるだろう。

    2019年7月号

  • マラリア原虫を蚊体内で死滅させる

    殺虫剤を使った蚊の駆除はマラリアとの闘いに貢献してきたが、殺虫剤耐性が深刻化している。このほど、宿主である蚊をマラリア原虫を標的とする薬剤に曝露させる方法が考案され、モデル研究でその有効性が示唆された。

    2019年6月号

  • セロトニンは核に移行してヒストンを修飾する

    ヒストンタンパク質の機能は、特定の化学基の付加や除去によって修飾され得る。今回、セロトニン分子の付加という新たなヒストン修飾が見つかった。この修飾も他のヒストン修飾と同様に、遺伝子発現に影響を及ぼすようだ。

    2019年6月号

  • コウモリインフルエンザウイルスの宿主細胞受容体の特定

    コウモリインフルエンザウイルスが宿主細胞に感染する仕組みはこれまで分かっていなかった。今回、このウイルスが、MHCクラスIIタンパク質という広範な生物種に存在する細胞受容体に結合することが明らかになり、ヒトに対する潜在的リスクの懸念が浮かび上がった。

    2019年6月号

  • ずらして重ねると輝きを放つ二次元材料

    2種類の単原子層材料を重ね合わせて得られるモアレ超格子構造では、光学特性をねじれ角のみで変化させられることが4例の研究から明らかになり、こうした二次元ヘテロ構造が秘める大いなる可能性が示された。

    2019年6月号

  • 中性子と陽子が核内で変化する理由

    中性子や陽子の構造は、原子核内にあるときには変化していることが分かっている。この現象の原因は長く分からなかったが、今回、1つの説明を支持する決定的な実験データが得られた。この結果は、原子核物理学に幅広く影響するかもしれない。

    2019年5月号

  • 恐怖を忘れることを学ぶ脳

    EMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)と呼ばれる治療法は、外傷後ストレス症候群の症状を軽減するが、そのメカニズムは謎に包まれている。マウスを使った研究で、このアプローチの生物学的基盤に関する有望な手掛かりが得られた。

    2019年5月号

  • 小さなチームの科学は破壊的で美しい

    科学技術の流れを乱して革新をもたらす「破壊度」を引用数指標として用いることで、研究チームの規模と研究の影響度との間に新たな関係性が見いだされ、「大きなチーム」の科学を称賛する傾向に疑問が投げ掛けられた。

    2019年5月号

  • 明らかになってきた細胞の老化像

    レトロトランスポゾンと呼ばれるDNA塩基配列は、自身のコピーをゲノムの別の部位に再び組み込むことができるが、これはDNA損傷につながることがある。今回、この過程を阻害することで加齢に伴う健康の衰えを防げる可能性があることが、マウスでの研究で示された。

    2019年5月号

  • 角を回った向こうを影で見る

    障害物のために直接見通せない所(死角)を、直接見えている影の部分にある情報を分析することにより、普通のカメラで「見る」ことができることが実証された。この成果は、ロボット、自動車、医療用のセンサー技術に応用される可能性がある。

    2019年4月号

  • グリーンランドの氷河下からメタンが放出されている

    グリーンランド氷床下の堆積物中で生成するメタンが、夏季の融解水によって大気中に放出されていることが報告された。この結果は、氷河の融解がこの温室効果ガスの重大な全球的ソースとなっている可能性を示唆している。

    2019年4月号

  • 1つの抗体で全ての型のインフルエンザと闘う

    さまざまなインフルエンザウイルス株(ヒトで流行を引き起こすA型・B型を含む)を認識できる改変抗体が作製された。全てのインフルエンザウイルス株に対する「普遍的な」防御の実現に近づいたのだろうか。

    2019年4月号