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父親由来のミトコンドリアがたどる運命
生物学の基本原則の1つに、「細胞内のエネルギー生成を担うミトコンドリアとそのDNAは、母親のみから受け継がれる」というものがある。しかし、時にはミトコンドリアが父親からも受け継がれることを示唆する興味深い研究が報告された。
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岩石と熱水によるアミノ酸合成
海底下深くで起こる岩石と熱水の化学反応によって、生物学的な要素なしに芳香族アミノ酸「トリプトファン」が合成されることが実証された。この過程は、地球上での生命の誕生に貢献した可能性がある。
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アドレナリンがサイトカインストームを促進する
抗腫瘍免疫応答を増強する治療では、サイトカインストームと呼ばれる有害な炎症応答が引き起こされることがある。今回、こうした有害な応答を防ぐのに役立つ可能性がある新しい知見が得られた。
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ブタからヒトへの心臓移植に向けて一歩前進
従来の異種移植の手順を改良することで、ブタの心臓を移植したヒヒを6カ月以上生存させることができた。この成果により、ブタからヒトへの異種心臓移植の道が見えてきた。
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イオン風で飛ぶ飛行機を実現
飛行機は通常、プロペラやタービンを用い、化石燃料の燃焼で動力を得る。今回、燃焼と可動部分なしに、電力とイオンの運動による風で飛ぶ飛行機が実現した。
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細菌の敵はヒトの味方ではない
黄色ブドウ球菌はヒトの難治性感染症の大きな原因となっている。この細菌は、ファージ(細菌を宿主とするウイルス)に感染すると、ファージの酵素のおかげで免疫系による検知を回避できることが明らかになった。
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ヒト妊娠初期の全体像
妊娠初期の母体と胎児の界面に存在する数万個の単一細胞のRNA塩基配列解読から、生殖を支える細胞種と調節ネットワークの驚くべき複雑性が明らかにされた。
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血管内皮細胞の起源は2つ
血管の内側を覆う細胞の供給源は、これまで1つと考えられてきたが、そうではないようだ。発生の初期段階で直接中胚葉から生じる既知の経路以外に、胚の血液細胞の前駆細胞からも生じ得ることが分かった。
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熱に耐える複合材料
高温で動作する高性能な新材料が作製された。セラミックスと金属からなるこの画期的な複合材料は、次世代発電所の開発に有用で、化石燃料への依存を断ち切るための足掛かりとなる可能性がある。
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ボース・アインシュタイン凝縮を宇宙空間で実現
ボース・アインシュタイン凝縮体と呼ばれる変わった超低温気体が、初めて宇宙空間で生成された。宇宙での生成は、地上での生成よりもさらに低い温度を実現できるなど、さまざまな利点があり、この気体は宇宙を超高精度で調べる量子センサーにもなりそうだ。
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浸透性農薬の根深い問題
スルホキシイミン系の農薬への曝露が、マルハナバチのコロニーに重大な悪影響を与えることが示された。この知見は、ハチを殺虫剤にさらすリスクへの懸念がネオニコチノイド類のみに限定されるべきではないことを示唆している。
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タンパク質は合成と同時に複合体に組み立てられる
酵母細胞のほとんどのタンパク質複合体は、そのサブユニット群の合成が完了する前に組み立てが始まっていることが分かった。この機構は、タンパク質が細胞毒性を示す凝集体になることを防いでいる可能性がある。
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木星の磁場は特異だった
木星の磁場は、他のあらゆる既知の惑星の磁場と異なっていることが分かってきた。この観測結果は、大惑星(木星型惑星)の内部構造の解明に大きな意味を持つ可能性がある。
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リンパ管による脳内の老廃物除去
髄膜にあるリンパ管は、血管と相互作用して脳から有害な老廃物を除去していることが明らかになった。この知見は、認知や加齢、アルツハイマー病などの疾患と関係がありそうだ。
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反射を伴わない負の屈折
トポロジカルな音波の人工結晶「ワイル・フォノニック結晶」の2つのファセットの境界において、反射を伴わない音波の負の屈折が実現された。
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体内のカロリー燃焼を促進する意外な分子
代謝産物の1つであるコハク酸は、褐色脂肪組織での熱産生過程を活性化し、カロリー燃焼を促進することがマウスで示された。この発見は、ヒトの肥満対策にも有効かもしれない。
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マヨラナ粒子の証拠を観測
マヨラナフェルミオンと呼ばれるエキゾチックな粒子は、量子計算に応用できる可能性があるが、その存在はまだ決定的な形で確かめられていない。今回、2つの研究グループが、マヨラナフェルミオンと考えられる実験結果を得た。
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アクチンタンパク質は核内でゲノムを守る
重合したアクチンは、モータータンパク質と共に核内のDNA損傷部位に集合して、DNAの可動性と修復を助けていることが明らかになった。この知見は、ゲノム完全性の保持を支える調節機構に新たな階層があることを示している。
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古いヒト族のアジア到達を示す石器
約210万年前の石器が中国で発掘された。この証拠により、アフリカ外のヒト族種のものであることが確認されている最古の痕跡の年代が、さらにさかのぼることになった。
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GPCRシグナル伝達の複雑な話
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、さまざまなタイプのGタンパク質を活性化して、多様なシグナル伝達経路を開始させる。このほど4種類の抑制性Gタンパク質とGPCRの複合体の構造が解かれ、GPCRにおける選択性に関する手掛かりが得られた。