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  • 蚊が飛べる理由を解明

    蚊はその細長い羽を、同程度の大きさの昆虫の4倍の振動数で羽ばたいている一方で、羽ばたきの振幅はごく小さい。蚊の飛行の高速度撮影とコンピューター計算による分析から、蚊は、他の動物の飛行でこれまで見つかっていなかった独自の空気力学メカニズムで飛んでいることが分かった。

    2017年7月号

  • ガラスの3D印刷の仕方

    一般的な3Dプリンターを使ってガラス構造物を作る方法が編み出された。

    2017年7月号

  • 1つのタンパク質で2つの神経変性疾患を治療

    アタキシン2(ataxin 2)タンパク質の生成を抑制する分子によって2つの神経変性疾患の症状を改善できることがマウスモデルで示された。臨床試験におけるこのアプローチの成功に大きな期待がかけられている。

    2017年7月号

  • シルクロード出現の謎がデジタル地図で明らかに

    シルクロードなどの遠距離交易ネットワークの形成に、その周囲の地形と人間社会との関係はどのような影響を及ぼしたのだろうか。このほど、デジタルマッピングとコンピューターモデリングから新たな知見がもたらされた。

    2017年6月号

  • 「時間結晶」を初めて実現

    結晶は空間の中で同じ構造が繰り返される物質状態であり、それが自発的に生成する。一方、物理量が時間とともに周期的に振動し続ける自発的な物質状態を「時間結晶」という。時間結晶は仮説上の存在だったが、今回、2つの研究グループがある種の時間結晶を初めて作り出したと報告した。

    2017年6月号

  • 脳内の地図に表された音の「景観」

    動物の脳内では、一部のニューロン集団が特定の地理上の位置で発火して、空間の中の自分の位置を示す神経系上の地図を作り出す。この回路が聴覚地図の基礎にもなり得るという知見は、認知を生み出すニューロン構造の解明に役立つだろう。

    2017年6月号

  • AIによるがん診断支援が現実味を帯びてきた

    皮膚がんを画像解析だけで判定できるようコンピューターを訓練したところ、一部の皮膚がんについては皮膚がん専門医と同程度の精度で識別できた。これは医学的診断の未来にどのような意味を持つのだろうか?

    2017年5月号

  • 異種動物の体内で作製された膵臓で糖尿病を治療する

    ラットの体内で成長させたマウスの膵臓を、1型糖尿病モデルマウスに移植すると、血糖値が制御された。また、拒絶反応は短期間の免疫抑制剤投与だけで回避できた。この成果から、治療用に臓器を成長させる興味深い方法が垣間見えてきた。

    2017年5月号

  • 造血幹細胞の維持にはバリンが必須

    血球の供給源である造血幹細胞は、必須アミノ酸の一種「バリン」に依存していることが明らかになった。マウスにバリンを含まない食餌を与えると、骨髄移植の前処置に類似した効果が得られ、移植が成立したのだ。この手法を使えば、骨髄移植に伴う毒性を低減できる可能性がある。

    2017年4月号

  • 地球の材料

    地球は、隕石が集積(落下付着)することによって成長した。この「地球の材料」がどのようなもので、それが地球形成が進むにつれてどう変化したかが、同位体の高精度測定から明らかになった。これまでの地球形成モデルを修正する必要がありそうだ。

    2017年4月号

  • 目的細胞の局在と子孫関係を同時に追跡可能な分子

    細胞のDNAに埋め込まれたバーコード配列にランダムな改変を導入する方法によって、細胞の空間的な関係を保持したまま、細胞の子孫関係を見分けることが可能になった。著者らはこの技術をMEMOIR(メモワール)と名付けた。

    2017年4月号

  • 神経の同調を回復させてアルツハイマー病を治療

    アルツハイマー病では、神経回路の活動で生じる電気的振動に障害が現れる。マウスモデル でこれらの振動を回復させると、免疫細胞が活性化して、アルツハイマー病に関連するアミロイドβタンパク質が脳から除去されることが示された。

    2017年3月号

  • 未踏の領域に踏み出した自己集合体

    適切な金属イオンと有機リンカーの自己集合によりケージ状の構造体を形成する場合、構造体の大きさには限界があった。今回、新しいケージ群の存在が発見され、かつてない大きさの構造体をこの手法で形成できることが明らかになった。自己集合研究の新たな領域が開かれそうだ。

    2017年3月号

  • ハート模様に秘められた冥王星の物語

    冥王星のひときわ目立つハート形をした明るい領域の左半分は、「スプートニク平原」と呼ばれる霜が堆積した広大な盆地だ。この盆地は、冥王星の自転軸を変化させ、表面のテクトニクス活動を促してきただけでなく、その表面下に海をたたえている可能性もあることが、4編の論文で明らかになった。

    2017年3月号

  • たっぷり眠るマウスと夢を見ないマウス

    哺乳動物の睡眠は、急速な眼球運動を伴う睡眠(レム睡眠)と急速な眼球運動を伴わない睡眠(ノンレム睡眠)からなる。遺伝子変異マウスの大規模な睡眠異常スクリーニングにより、ノンレム睡眠の必要量を決める遺伝子と、レム睡眠の終止に関与する遺伝子が突き止められた。

    2017年2月号

  • テロメラーゼに依存しないテロメア伸長の機構

    細胞の寿命は、染色体末端(テロメア)の反復配列の短縮によって制限されているが、一部のがん細胞は、テロメラーゼ非依存性テロメア伸長(ALT)と呼ばれる機構によってテロメア長を維持し、この運命を回避している。今回このALTの機構が分子レベルで詳細に解明された。

    2017年2月号

  • 光学顕微鏡と電子顕微鏡で観察可能なナノ粒子プローブ

    蛍光ナノダイヤモンドと金ナノ粒子を組み合わせた生体適合性プローブが開発され、光学顕微鏡と電子顕微鏡の両方を使った細胞イメージングが可能になった。これにより、生物学研究に新たな進展がもたらされることだろう。

    2017年2月号

  • 現生人類の分散を描く

    地理的に多様な人類集団の高カバー率のゲノム塩基配列が得られたことで、地球全体に広がった現生人類の分散について、そして地勢がゲノムの多様性をどのように形成したかについて、手掛かりが得られた。

    2017年1月号

  • アフリカツメガエルの難解なゲノムを解読!

    重要なモデル動物でありながら、そのゲノムの複雑さから長らく解読が困難とされてきたアフリカツメガエル(Xenopus laevis)のゲノム塩基配列がついに解読された。詳細な解析からは、ゲノムの進化の様子も明らかになった。

    2017年1月号

  • 化学の多様性でマラリアに挑む

    天然物に似た構造を持つ多様な化合物の大規模ライブラリーが構築され、そのスクリーニングによって、マラリア原虫の生活環の複数段階を標的とする新規の薬剤候補分子が見つかった。この分子は、単回の投与でマラリアを治療でき、耐性も生じにくいらしい。

    2017年1月号