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  • 体が水分バランスを予測する仕組み

    哺乳動物の体は、体内の水分バランスが乱れると衰弱することがある。今回、2つの研究で、渇きに応答し、渇きを予期して、計画的に水分を調節している脳領域がマウスで特定された。

    2016年12月号

  • 理想的な鎮痛薬を計算科学で設計

    オピオイドと同等の鎮痛活性を有し、オピオイドよりも副作用が少ない薬剤が、構造に基づいたコンピューターシミュレーションによって開発された。今回の成果は、この手法がさまざまなタイプの薬剤の創薬に有効な戦略となる可能性を示した。

    2016年12月号

  • がん細胞は死してなおカリウムで免疫系を抑制する

    細胞死を起こした腫瘍細胞はカリウムを放出し、それがT細胞の活性を抑制することが分かった。T細胞からのカリウム排出を増強すると、がんを攻撃する能力が回復する。

    2016年12月号

  • シナプスの要、ナノカラム

    シナプス前部にある神経伝達物質分子を放出する領域と、それを捕獲するシナプス後部の領域をつなぐ「ナノカラム」構造が発見された。シナプス間隙をまたぐこの構造は、シナプスの組織化と調節の機構についての手掛かりを与えてくれる。

    2016年11月号

  • 完全にソフトなロボット

    タコ型ロボット「オクトボット」が開発された。これは、完全に柔らかい材料だけで作られた最初のロボットだ。化学反応で動力を得て、流体論理回路で制御されている。これまでの機械を超える可能性のある、「ソフトロボット」時代の幕開けを告げるものだ。

    2016年11月号

  • 細胞分裂の際に染色体がくっつかないのはなぜ?

    Ki-67タンパク質は、分裂中の細胞で増えることが知られているが、有糸細胞分裂での役割はこれまでよく分かっていなかった。今回、詳細な画像化により、細胞分裂の際に染色体がひと塊にならないのは、Ki-67が染色体の表面を覆っているためであることが明らかになった。

    2016年10月号

  • 光解離反応で観測された量子効果

    超低温の二原子分子が光を吸収して2個の原子に分裂する光解離反応で、驚くべき量子効果が初めて観測された。この研究は、量子光学の新たな研究の道を開く。

    2016年10月号

  • 腫瘍を抗ウイルス応答で撃退するがんワクチン

    樹状細胞に腫瘍抗原を含むナノ粒子を送達し、抗ウイルス応答に似た抗腫瘍免疫応答を誘導する免疫療法が開発された。初期の臨床試験では有望な結果が得られている。

    2016年9月号

  • 精子が卵と出会う時

    受精、つまり精子と卵の結合は、精子のIzumo1と卵のJunoという2種類の細胞表面タンパク質が仲介する。それぞれのタンパク質について行われた構造解析と、Izumo1–Juno複合体の構造解析から、認識過程とそれに続く精子–卵融合についての手掛かりが得られた。

    2016年9月号

  • ブラックホールは老いた銀河を操る

    年老いた星が多数を占める銀河には、星の材料になるガスがあるのに星が作られないものが多い。銀河の中心にあるブラックホールが銀河の中のガスをかき回し、星形成を抑え込んでいるとみられることが観測から分かった。

    2016年8月号

  • 肢再生に欠かせないシグナルの連携プレー

    有尾類は優れた器官再生能力を持ち、例えば四肢を切除されても元通りに再生することができる。メキシコサンショウウオを用いた研究から、こうした肢再生では、2種類のシグナル伝達分子が互いに協力し合いながら複雑な再生過程を調節していることが分かった。

    2016年8月号

  • 受容体の構造からSSRI系抗うつ剤の作用機序が明らかに

    セロトニン輸送体タンパク質のSERTが、2種類の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と複合体を形成した状態の構造が解かれ、これらの薬剤が作用する仕組みが明らかになった。

    2016年7月号

  • ご近所にあった超新星

    深海底の堆積物に含まれる超新星由来の放射性同位体の測定と、それらの同位体がどのように地球に到達したかのモデル化から、生物の進化に影響する可能性があるほど地球の近くで、多数の超新星爆発が起こっていたことが分かった。

    2016年7月号

  • 電場で化学反応を制御する

    電場を用いて化学反応を制御できることが、単一分子レベルでの実験によって明らかになった。その反応速度は、印加電場の向きと強さの両方に影響を受けるらしい。

    2016年6月号

  • 高脂肪食が大腸がんの発生率を高める仕組み

    マウスでの研究で、高脂肪食の摂取により腸前駆細胞が幹細胞様の運命に誘導されることが突き止められた。その結果、腸のサイズが変化し、腫瘍の発生率が高まることが分かった。

    2016年6月号

  • 遺伝学と生理学がついに結び付いた

    統合失調症発症のリスクと強い関連性がある遺伝的変異の1つが特定された。シナプスの刈り込みに関与すると考えられている補体因子C4遺伝子だ。神経生物学とを結ぶ手掛かりがようやく得られ、創薬につながることが期待される。

    2016年5月号

  • 自己免疫疾患のための免疫療法

    MHCクラスII分子と自己免疫疾患に関連する任意のタンパク質断片の複合体で覆ったナノ粒子の投与により、免疫調節機構を患部器官の自己免疫応答を抑制する方向に転換できることが分かった。

    2016年5月号

  • 地球は「大凍結」を辛うじて逃れている

    日射量と二酸化炭素濃度の関係から氷期の開始時期を予測する計算式が導かれ、完新世の地球が新たな氷期への突入を辛うじて逃れていることが裏付けられた。このままいくと、今後 5万年間は氷期に入りそうもないという。

    2016年4月号

  • オフターゲット効果が最小のCas9酵素

    特定のDNA配列を切断するゲノム編集技術CRISPRで利用されている酵素Cas9は、標的外(オフターゲット)の部位も切断することが知られている。このほど、タンパク質工学を利用して、オフターゲット効果が最小のCas9が作製された。

    2016年4月号

  • マグネシウムで記録破りの強度を実現

    マグネシウム合金中にナノサイズのセラミック粒子を均一に分散させることで、これまで難しかったマグネシウム合金における強度の大幅な向上に成功、ついに限界の壁を打ち破った。このマグネシウム複合材料は、構造用の軽量金属材料として大いなる可能性を秘めている。

    2016年3月号