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  • 改良が進む樹状細胞ワクチン

    抗腫瘍免疫応答を誘導する樹状細胞ワクチンは、がん患者の治療にはあまり有効ではなかったが、今回、ワクチン接種部位を前処置して炎症を誘発しておくと、このワクチンの効果が増強される可能性があることが分かった。

    2015年6月号

  • 知覚情報をもとに自ら学習する人工知能

    コンピューターゲームのプレイ方法を、深層学習と強化学習によって自ら学習する人工知能が開発された。この人工知能は、古典的な49種類のコンピューターゲームのうち29種類でプロのゲーマーと同等以上の成績を収め、人工知能がさまざまなタスクに適応可能なことを実証した。

    2015年5月号

  • 光で細胞小器官の位置を操る

    細胞小器官の位置は細胞機能に影響を及ぼすと考えられているが、それを正確に調べる術がなかった。このたび、光遺伝学の手法を使って、細胞小器官の位置や運動性を自在に操り、細胞内構造を狙ったとおりに再編成できる技術が開発された。

    2015年5月号

  • 減数第一分裂の染色体分配の司令塔、MEIKIN

    マウスで、減数第一分裂と呼ばれる特殊な細胞分裂で重要な役割を果たすタンパク質が突き止められた。さらに、このタンパク質の機能解析から、減数第一分裂中に染色体分配が調節される仕組みが進化的に保存されたものであることが明らかになった。

    2015年4月号

  • 軟骨を真似たヒドロゲル

    関節部の骨を覆う関節軟骨は、軟骨組織の構成要素間に働く反発力に基づく、優れた耐荷重性と低摩擦性を示す。これに着想を得て、方向に依存した珍しい特性を数多く併せ持つ合成ゲル材料が新たに開発された。

    2015年4月号

  • 多能性状態を操作するための手引き

    偏りのない解析で、iPS細胞の再プログラム化から万能性獲得までの過程には複数の経路があることが明らかになり、そこから、これまで見落とされていた新しいタイプの多能性細胞の存在が確認された。

    2015年3月号

  • 毎秒1000億コマの超高速撮影技術

    超高速現象を毎秒1000億フレーム(コマ)の速さで記録できる、新たな画像撮影技術が開発された。1回きりで繰り返さない現象でも捉えることができ、ストロボやフラッシュも必要ない。この技術は、生物医学やセキュリティー技術に応用できる可能性がある。

    2015年3月号

  • 治療法改善のための最善の戦略とは

    うつ病の研究には、抑うつ様行動を示す従来からのマウスモデルがよく使われているが、ヒトのうつ病の全体像を従来のマウスモデルで完全に把握することは不可能である。このフォーラムでは、治療法の改善を目指した戦略について、専門家たちが提案する2通りの見解を紹介する。

    2015年2月号

  • 解明が進むがん免疫療法

    PD-1経路の遮断により抗腫瘍免疫を回復させる免疫療法は臨床で目覚ましい成果を挙げているが、作用機序には不明な点が多い。今回、この治療法に対して特に反応性の高い患者の特徴や、この治療法が有効ながん種が新たに明らかになった。さらに、この治療法の標的が腫瘍の新抗原であることを裏付ける結果も得られた。

    2015年2月号

  • 加速器研究にやってきた最高の波

    「プラズマ・アフターバーナー」と呼ばれる、わずか30cm長の小型加速器を使って、従来の巨大な加速器の500倍の効率で電子を加速することができた。この研究結果は、低コストの加速器の開発につながる可能性がある。

    2015年2月号

  • 繊維芽細胞の可塑性が心臓の修復を助ける

    心臓繊維芽細胞は損傷を受けた心臓構造の修復に重要な役割を果たすことが知られている。さらに今回、心臓の繊維芽細胞には内皮細胞へと転換できる可塑性があり、心臓が損傷を受けた後にp53依存的に転換が誘導されて、傷害血管の修復を助けることが明らかになった。

    2015年1月号

  • 重症エボラウイルス感染症のサルを回復させた治療薬

    3種類のモノクローナル抗体を混合した治療薬「ZMapp」で、致死量のエボラウイルスを接種したサルは全て回復した。ZMappは、感染後の治療に用いられたことのある他の薬とは異なり、エボラウイルス感染症が進行した段階にあっても治療効果を発揮した。

    2015年1月号

  • スタチンは骨の成長を促す

    軟骨形成と骨成長の異常によって起こる低身長症について、iPS細胞モデルが構築された。研究チームはさらに、高コレステロール血症治療薬であるスタチンが軟骨形成と骨成長を促進する可能性があることをこのモデルを用いて明らかにした。

    2014年12月号

  • 海王星サイズの太陽系外惑星に水を発見

    海王星ほどの大きさの太陽系外惑星の大気にも水(水蒸気)が存在することを示す決定的証拠が、初めて得られた。さらに小さい、地球ほどの大きさで水が存在する惑星の探索への扉が開かれた。

    2014年12月号

  • 歯の構造の進化をin vitroで再現

    モルフォゲンであるEDAタンパク質を欠損したマウスには、正常な構造の歯が生えない。EDA欠損マウスの胎生期の歯にEDAを加えて培養すると、EDAの量に応じて、歯は進化の過程をたどり、マウス本来の構造に戻ることが示された。

    2014年11月号

  • 狙いどおりのナノチューブに成長する「種」

    1種類の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のみを選択的に合成できる技術が開発された。この方法を利用すれば、あらゆる種類のナノチューブを純粋な形で得られるようになるかもしれない。

    2014年11月号

  • インターフェロンは両刃の剣

    サルでの研究から、インターフェロンの作用には二面性があり、感染の防止に働く場合と、慢性感染の状態を悪化させる場合があることが明らかになった。

    2014年10月号

  • 超弾性有機結晶

    相転移を伴う弾性の一種「超弾性」が、純粋な有機結晶で初めて観察された。この超弾性有機材料はマイクロ流体デバイスなどへの応用が期待される。

    2014年10月号

  • 耐性菌の抗生物質耐性を無効化する天然物

    カルバペネム系抗生物質は現在、重篤な感染症に対する最後の砦であるが、耐性菌の急増が世界的な公衆衛生問題になっている。今回、真菌の一種が産生する天然化合物が、カルバペネム系抗生物質耐性細菌の、カルバペネム耐性を無効化させることが分かった。

    2014年9月号

  • ダイヤモンドをもっと硬く

    ダイヤモンド含有複合材料は世界で最も硬い材料の1つだが、極端な条件で使用すればやはり破損する。「タマネギ状」のカーボン前駆体から作製したナノ構造化ダイヤモンドなら、この問題を克服できるかもしれない。

    2014年9月号