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  • ゾウリムシの「接合型継承の謎」を解明

    原生生物であるヨツヒメゾウリムシは、接合後も子が親の接合型を常に維持している。この遺伝の仕組みは、ゲノムに外来DNA塩基配列が入り込まないように、RNA誘導型のDNA削除経路が働いてゲノムを守っている結果であることが明らかになった。

    2014年8月号

  • 血液脳関門を通過できる2つのルート

    血液脳関門では、脳への脂質の輸送と、トランスサイトーシスによる分子の輸送が行われているが、この2つの過程がどちらもMfsd2aという1つのタンパク質によって調節されていることが明らかになった。

    2014年8月号

  • Y染色体の進化学

    Y染色体は、進化の初期に多数の遺伝子が喪失したものの、現存生物種のY染色体に残っている遺伝子は極めて安定していることが、さまざまな哺乳動物のY染色体塩基配列の比較から明らかになった。

    2014年7月号

  • 小惑星表面でのレゴリス形成

    小惑星の表面にある岩石もまた、年月の経過とともに風化によって崩壊し、やがては粉末状の破片へと変わっていく。この風化現象はこれまで、大小さまざまな流星体の衝突が原因だと考えられていたが、今回、室内実験とシミュレーションモデルを組み合わせた研究から、少なくとも小型の小惑星では、昼夜の温度変化が主な原因であることが分かった。

    2014年7月号

  • 高齢者の脳を保護する因子

    RESTと呼ばれるタンパク質が、加齢脳でのニューロンの細胞死の抑制と、高齢者の認知能力の維持に中心的な役割を果たしていることが明らかになった。

    2014年6月号

  • マントルダイナミクスの謎を解くカギを発見

    地球の上部マントルに最も多く含まれる鉱物であるカンラン石中に、回位(ディスクリネーション)と呼ばれる、結晶格子の欠陥が見つかった。これにより、数十年にわたって鉱物物理学者を悩ませてきた問題が解決されるかもしれない。

    2014年6月号

  • 遺伝子の調節で老いた筋肉を若返らせる

    筋肉の再生を担う幹細胞は、高齢になると、可逆的静止状態から不可逆的老化状態へと切り替わる。今回、老化を推進する遺伝子を調節すると、筋幹細胞の再生能が回復することが明らかになった。

    2014年5月号

  • 肝臓修復のカギは血管からのシグナル

    損傷した肝臓の修復において、血管の内壁を覆う内皮細胞が産生するタンパク質が、細胞増殖のタイミングを調節していることが突き止められた。この発見は、組織再生において血管からのシグナルが重要な役割を担っていることを示す、新たな実証例である。

    2014年5月号

  • 造血幹細胞にも性差がある

    血球を作り出す造血幹細胞は、エストロゲンに応答して、雄より雌のマウスでより頻繁に分裂することが分かった。これはおそらく、雌が妊娠時により多くの血液を必要とするようになることに備えているためだろう。

    2014年4月号

  • 水蒸気を噴き出す準惑星ケレス

    準惑星ケレスには水が大量にあると考えられてきたが、欧州宇宙機関(ESA)のハーシェル宇宙望遠鏡による観測で、ケレスの表面から水蒸気が噴き出していることが分かった。

    2014年4月号

  • 電子顕微鏡でイオンチャネルの構造を決定

    これまで解析が困難であった熱感受性TRPV1イオンチャネルの構造が、単粒子低温電子顕微鏡を使って解明された。

    2014年3月号

  • マウス脳で超高速エンドサイトーシスを発見

    脳機能を支える重要なプロセスである神経接合部の小胞エンドサイトーシスに、超高速モードがあることが明らかになり、長年使われてきたエンドサイトーシスのモデルを再評価する必要がでてきた。

    2014年3月号

  • 珍しいものに心惹かれる

    「希少雄効果」は、配偶者選択を強く受ける形質で遺伝的多様性が維持されている謎を説明する旧来の仮説だ。今回、これを支持するこれまでで最も決定的な証拠が、グッピーの研究から得られた。

    2014年2月号

  • 2000万回もの波に耐える海藻の秘密

    海岸に生息する海藻には打ち寄せる波から繰り返し力がかかり、その力による組織の疲労は海藻の死につながりかねない。しかし、ある海藻を観察したところ、その茎状の部分の節の構造には横方向の結合がなく、巧妙な仕組みで負荷による疲労に耐えていることが分かった。

    2014年2月号

  • 脂肪代謝のメヌエット

    日周性の脂肪代謝は、筋肉と肝臓に存在する2つの核内受容体の間で、1つの脂質メッセンジャーを仲介物資として受け渡しすることで調節されていることが分かった。このシグナル伝達経路から、代謝に異常を来すさまざまな疾患についての理解が進むかもしれない。

    2014年1月号

  • 最も遠い銀河の発見

    非常に遠方にあるとみられる43個の銀河の分光測定が行われ、その1つが、これまでに確実な方法で距離が測定された中で最も遠い銀河であることが分かった。この銀河では、私たちの銀河系(天の川銀河)の100倍以上の速さで星が生まれていることも分かった。

    2014年1月号

  • カーボンナノチューブでコンピューターを試作

    カーボンナノチューブで作った半導体トランジスターを回路に組み込み、コンピューターが試作された。市場に出せるかどうか未来の話はさておき、まずは、新しい電子材料としての華やかなデビューだ。

    2013年12月号

  • LPSは細胞内でも感知される

    グラム陰性細菌の外膜に存在するリポ多糖(LPS)は、宿主細胞の細胞表面にある受容体TLR4によってのみ感知されると考えられていた。しかし今回、LPSは、細胞質内でも感知されることが分かった。

    2013年12月号

  • 網膜の神経回路を詳細にマッピング

    脳の構造は非常に複雑であり、小さな神経回路でも、何百個のニューロンと数千個の接続を含んでいる。連続組織切片の電子顕微鏡観察とそのデジタル的再構築により、また遺伝学的手法と光学的解析を統合させた方法により、網膜の神経回路がこれまでになく詳細に描き出された。

    2013年11月号

  • 土星の潮汐力が、衛星エンケラドスのプルームを制御

    土星の衛星エンケラドスの南極付近から、氷の粒子のプルーム(立ち上る煙状のもの)が噴き出している。このプルームは、エンケラドスが軌道上で土星から最も遠い位置に来たとき、最も近いときに比べて4倍明るく見えることが分かった。

    2013年11月号