アーカイブ検索

キーワード

セクション

  • ヒトSer/Thrキナーゼのリン酸化モチーフの全容

    キナーゼはタンパク質のリン酸化酵素であるが、今回、計算資源から、ヒトキナーゼの主要なクラスに属するほぼ全てのキナーゼの標的となる候補タンパク質モチーフが特定できた。このリン酸化マップは、健康や疾患における細胞のシグナル伝達を理解する上で重要である。

    2023年4月号

  • 老化細胞は一生を通して体を傷つける

    増殖を停止した「老化」細胞の特徴が、マウスの骨格筋において明らかになった。老化細胞は、炎症促進と再生阻害を引き起こしていること、そしてその結果、老齢の筋組織に有害な変化を引き起こす可能性があることが分かった。

    2023年4月号

  • 地下深部からも流れ出る富士山の湧水

    3種類のトレーサーを組み合わせて解析することにより、富士山の湧水の起源に関する古くからのモデルの誤りが証明され、深度の異なる帯水層間の相互関係が明らかになった。

    2023年4月号

  • 羽毛恐竜の発見から25年

    鳥類の起源に関する我々の理解は、1998年に発表された、羽毛恐竜の存在を示す化石に関する論文によって大きく前進した。この論文は、同年発表された別の2種の羽毛恐竜化石についての論文と共に、古生物学界に一大センセーションを巻き起こした。

    2023年4月号

  • 根が流れに従う仕組み

    環境からの刺激により、植物の根の分岐はどう決定されるのだろうか。利用可能な水の量が根の成長を方向付ける仕組みが明らかになり、ホルモンを介した根の成長過程の調節を支える意外な機構が見つかった。

    2023年3月号

  • マラリア原虫が雄になる仕組み

    生物はさまざまな戦略を用いて性を決定している。今回、マラリアを引き起こす寄生虫の熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)において、雄特異的な因子が関与する非遺伝的な性決定機構が明らかになった。

    2023年3月号

  • 量子コンピューターの中のホログラフィックワームホール

    量子力学と一般相対性理論を融合する試みにおいて重要な概念である、ホログラフィックなワームホールと呼ばれる状態が、量子ビット9個の系を使ってシミュレーションされた。

    2023年3月号

  • 腸内細菌が運動意欲を促進する

    腸内細菌が感覚ニューロンを活性化する分子を産生し、運動に関連した脳内の報酬系の神経回路を刺激することが、マウスで発見された。この新しい経路は、長時間の運動に対する意欲に影響を与える。

    2023年3月号

  • 細胞移動をコーディネートするのは「uncoordinated」タンパク質

    細胞移動への関与がこれまで知られていなかったUnc5受容体とグリピカン3の複合体の特徴が明らかになり、その機能から、発生中のニューロンと転移性のがん細胞は類似した機構で移動するという考えが裏付けられた。

    2023年3月号

  • ペストの大流行による急速な自然選択

    中世を生きた人々のDNAの分析から、14世紀の腺ペストパンデミックによる急速な自然選択を受けた人は生き残った一方で、その子孫は自己免疫疾患のリスクが上昇した可能性があることが明らかになった。

    2023年2月号

  • 全身性エリテマトーデスを治療するCAR-T細胞療法

    免疫系のT細胞に遺伝学的改変を加えて特定の細胞を攻撃させるCAR-T細胞療法で、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療を目的とするものが開発された。作製されたCAR-T細胞を患者に注入すると、臨床的および免疫学的な改善が見られた。

    2023年2月号

  • 膜タンパク質の組み立てに思いがけない事実

    膜貫通型タンパク質は細胞において多くの重要な役割を担っている。今回、複数回膜貫通型タンパク質が動物細胞の膜に挿入される過程について新たな知見が得られ、これまでの認識に疑問が投げ掛けられた。

    2023年2月号

  • 氷河後退による火山活動で起こった海の貧酸素化

    太平洋北東部でかつて数千年間続いた、溶存酸素に乏しい水域の原因が、アラスカ湾の海底の過去2万年間の堆積物記録から示唆された。北米にあった氷河が解けて火山活動を引き起こし、海水中の酸素が失われたとみられる。

    2023年2月号

  • 麻痺からの回復を助ける細胞を特定

    脊髄損傷の治療を改善するには、技術的な進歩と回復に関する生物学的な洞察の両方が必要である。神経系の高分解能分子マップから、生物学的な洞察が得られ始めている。

    2023年2月号

  • 生態系の新たなカタログ

    地球の生態系に関して、生物種の分類に用いられているリンネ式の階層的な体系とよく似た、決定的な分類法が開発された。多大な努力によって得られたこの成果は、今後数十年にわたって保全活動の土台となる可能性がある。

    2023年1月号

  • 謎めいた微生物DNAエレメント「ボーグ」の発見

    微生物は、遺伝情報の一部を染色体以外のエレメントに保存している。そうしたエレメントに思いもよらないタイプのものが見つかり、その多様性と潜在的役割に関する考え方に変化が起こっている。

    2023年1月号

  • 光触媒粒子の電荷移動が明らかに

    クリーンエネルギーである水素を生成する方法として、光触媒を用いた水の分解反応が注目されている。今回、単一の光触媒粒子中の電荷の動きが時空間的に極めて詳細に観測され、光触媒反応の機構の理解が進むとともに、優れた光触媒の開発につながると期待される。

    2023年1月号

  • SARS-CoV-2は宿主タンパク質を模倣して防御を回避する

    SARS-CoV-2は、宿主の細胞核でDNAをパッケージングするヒストンタンパク質の1つを模倣するように進化してきたことが明らかになった。この模倣によって、遺伝子の転写が阻害されて、抗ウイルス応答が減弱する。

    2023年1月号

  • 無害な腸内細菌への攻撃を抑える免疫細胞ができる仕組み

    炎症性腸疾患を防ぐためには、免疫系が能動的にその制御を行う必要がある。今回、腸で免疫抑制性の「制御性T細胞」の分化を促進する細胞集団が見つかった。

    2023年1月号

  • 最初期のヒト族は二足歩行も木登りも

    チャドで発見されたヒト族の脚の骨1本と腕の骨2本は、700万年ほど前、ヒトとチンパンジーの系統が分かれた頃に、初期のヒト族が二足歩行性でありながら木登りもできたことを示唆している。

    2022年12月号