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  • イノシン分子が体重減少を焚きつける

    体内の褐色脂肪はエネルギーを熱に変換する。今回、死にゆく褐色脂肪から放出されたイノシン分子が、近傍の褐色脂肪細胞の熱産生を誘導することが報告された。これは肥満と闘う方法を示している可能性がある。

    2022年12月号

  • 既知最古の動物のベールを取り払う

    刺胞動物の起源は、化石記録に空白があるため長く謎に包まれてきた。今回、待望のエディアカラ紀の刺胞動物の化石が発見され、この動物群の初期進化の重要な特徴が明らかになった。

    2022年12月号

  • 2剤併用で全身毒性を巧妙に回避

    2種類の薬剤の併用により、ラパマイシン標的タンパク質複合体1(TORC1)と呼ばれる タンパク質複合体の活性を脳でのみ阻害し、体組織では阻害しないようにすることが可能になった。これを脳腫瘍のマウスに適用すると、全身毒性を回避しながら治療することができた。

    2022年12月号

  • 陽子がチャームクォークを含む証拠

    陽子が固有チャームクォークと呼ばれるクォークを含んでいる証拠が得られ、約40年前の提案が確かめられた。

    2022年11月号

  • ビタミンK再利用の新たなメディエーターの発見

    ビタミンKは、ワルファリンと呼ばれる薬剤の有害な副作用に拮抗する。研究者たちは、長い間、この拮抗作用を可能にする酵素の正体を突き止めようとしてきた。 今回、フェロトーシスと呼ばれるタイプの細胞死の解析から、思いがけなくこの謎が解明された。

    2022年11月号

  • 亜鉛イオンのエスコートタンパク質を特定

    細胞の重要な酵素に亜鉛イオンを確実に送達する金属シャペロンタンパク質が見つかった。この知見により、亜鉛が不足している場合には細胞内での亜鉛の配分が巧妙に制御されることが鮮明になった。

    2022年11月号

  • 気体溶解度を飛躍的に高める「多孔性の水」

    特殊な多孔性固体を水中に懸濁させることで「多孔性の水」が得られた。この液体は、血液よりも多くの酸素を運ぶことができ、生物医学用の水性製剤への道を開くと期待される。

    2022年11月号

  • 社会的つながりが経済的流動性を形成する

    Facebook上での210億のつながりに関するデータから、「社会経済的地位の高い人と低い人の間の幼少期における友人関係」という新しい社会資本の尺度が明らかになった。この社会資本は、成長してからの人生の経済的流動性に関連している。

    2022年11月号

  • 長寿命の卵細胞の自己防衛戦略

    卵細胞は、次世代を不都合な変異がなく健康な状態に保つために、有害な影響が及ばないようにする必要がある。今回、卵母細胞が、有害な活性酸素種による損傷を回避する機構が発見された。

    2022年10月号

  • 鉄–硫黄クラスター錯体の鉄原子が窒素を還元

    窒素分子を生物が利用可能な形態へと「固定」する酵素は、活性部位に鉄原子と硫黄原子を含む特異なクラスターを持つ。今回、このクラスターを模倣した人工分子で窒素の還元反応が実現され、窒素固定の反応機構に光が当てられた。

    2022年10月号

  • 仔マウスの口から母親へのノロウイルス感染

    授乳時に仔マウスから母マウスへ唾液を介して、感染性胃腸炎ウイルスが伝播することが発見され、これまで認識されていなかったウイルス複製部位と感染手段が明らかになった。

    2022年10月号

  • がん細胞は睡眠中に転移しやすい

    血流に乗って移動するヒト腫瘍細胞の分析から、命取りとなり得るがんの転移は、睡眠中に起こりやすいことが分かった。この発見は、がんの治療にどのような影響を与えるだろうか?

    2022年10月号

  • 染色体の核内での位置が分離異常に影響する

    単一細胞解析から、細胞核内での染色体の三次元的な位置が、がんに関連するゲノム再編成が起こる可能性に影響を及ぼすことが示唆された。

    2022年10月号

  • 生態系の経済的価値評価の25年間

    世界の生態系がもたらす経済的な価値は、1997年に初めて見積もられたが、この研究にはさまざまな反響があった。生態系の経済的価値の評価はそれからどのように進んだのだろうか? そうした価値を意志決定に用いる最前線は今、どうなっているだろうか?

    2022年9月号

  • 運動によって産生される分子が空腹感を失わせる

    Lac-Pheと呼ばれる代謝物は、運動によって誘導される「筋肉の灼熱感」に関連している。この分子が、マウス・競走馬・ヒトにおいて運動後の食物摂取量を減少させ、肥満マウスでは体重減少を引き起こすことが分かった。

    2022年9月号

  • 正確かつ完全なヒトゲノム塩基配列が完成

    これまでに公開されたヒトゲノムの塩基配列は、反復配列を含んだDNA領域に配列未決定の部分がギャップとして残っていた。このたび、最先端の技術を組み合わせて使用することで、完全なヒトゲノム塩基配列が初めて得られた。

    2022年9月号

  • 貴ガスの化学の60年

    1960年代初頭、不可能と思われていたキセノンの化合物が初めて合成され、貴ガス元素の反応性の欠如に関する長年の神話が一掃された。この歴史的偉業によって大きく開かれた扉のその先で、貴ガス元素の豊かな化学についての研究は、今なお活発に続いている。

    2022年9月号

  • 人工タンパク質を生細胞で合成する回路でがん免疫療法をより安全に

    T細胞にカスタマイズ可能な人工受容体タンパク質を発現させて、柔軟な制御ができることが報告された。こうした人工タンパク質設計の枠組みが明確になったことで、がん免疫療法で利用できる可能性が高まった。

    2022年9月号

  • 白色矮星の理論予測を偶然の発見で立証

    X線の短時間の検出から、稀な現象が見つかった。天文学者たちはこの発見を利用して、白色矮星に関する古い理論予測を立証した。

    2022年8月号

  • 菌類由来の代替タンパク質の環境的利益

    牛肉の代わりに微生物由来の「マイコプロテイン」を食べるようになれば、環境への悪影響はどれだけ軽減されるのだろうか。今回、複数のシナリオを用いたモデル化研究によって、そうした転換が、森林伐採や二酸化炭素排出を大幅に削減できることが示された。

    2022年8月号