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  • 暗闇に浮かび上がった1つ1つの化学反応

    溶液中で電気化学的に励起された個々の分子の発光反応が直接撮像された。この方法は、外部光源を必要としないため感度が高く、細胞の撮像では、標識付けせずに鮮明な画像を得ることができる。

    2021年11月号

  • 腫瘍が化学療法を回避する仕組みを根気よく調べる

    化学療法への抵抗性がどのように生じるかを理解すれば、より優れた抗がん剤治療につながる可能性がある。化学療法抵抗性には、化学療法を生き延びた腫瘍細胞である持続生残細胞が関与していると考えられている。今回、細胞の特徴を詳細に評価する方法が開発され、これによって持続生残細胞の起源が明らかになった。

    2021年11月号

  • 都市の食料不足を供給の多様化で防ぐ

    食料供給の突然の途絶(食料ショック)のリスクが高まっている という懸念が広がっている。食料ショックに対する都市の脆弱性は、そのサプライチェーン(供給連鎖)を多様化することによって減らすことができることが示された。

    2021年10月号

  • カイロウドウケツを通る水の流れ

    海綿動物の「カイロウドウケツ」は、美しい骨格構造を持つことで知られる。このほど、高度な数値シミュレーションによって、この骨格構造が、体にかかる抗力を低減させて頑健性を高めるだけでなく、食物粒子や有性生殖での精子の捕獲にも役立っている可能性が示された。

    2021年10月号

  • SARS-CoV-2変異株と闘うための単一ドメイン抗体

    ラクダやラマが産生する抗体には、「ナノボディ」と呼ばれる小さなタンパク質ドメインを用いて標的に結合するものがある。今回、COVID-19の治療において通常の抗体よりも優れた効果を発揮する可能性のあるナノボディを産生する、遺伝子改変マウスが作製された。

    2021年10月号

  • デザイナー繊維食で腸内微生物を変化させる

    食物が腸内微生物にどのような影響を与え、どうヒトの健康を左右するのかが分かれば、的を絞った食物戦略が得られる可能性がある。今回、ある臨床試験が行われ、その目標の実現に向けて一定の前進があった。

    2021年10月号

  • 鳥類の磁気受容の謎の解明に向けて大きく前進

    動物が地球の磁場を感知する仕組みは、今なお謎に包まれている。今回、渡り鳥のヨーロッパコマドリの網膜に存在する クリプトクロムタンパク質のErCRY4に、探し求められてきた磁気センサーとしての物理的特性が見いだされた。

    2021年9月号

  • スクイーズド光で顕微鏡の感度を向上

    生体組織の画像撮影において、分子内の振動からの光シグナルでコントラストを得ることは可能だが、このシグナルの検出は難しい。今回、スクイーズド量子状態にある光を使って、これまでは雑音に覆い隠されていた、分子振動のシグナルを検出する方法が実証された。

    2021年9月号

  • 古代人の糞便とその腸内微生物

    ヒトの腸内微生物がどのように健康や疾患を左右しているのかについて、 理解が深まりつつある。今回、古代人の糞便に関する研究で、 過去2000年の間に腸内の微生物集団がどう変化したのかが見えてきた。

    2021年9月号

  • 腫瘍細胞を休眠へといざなうナチュラルキラー細胞

    ナチュラルキラー細胞は、原発巣から他の場所に広がる転移がん細胞を休眠状態に誘導できることが分かった。この知見は、こうした抗腫瘍機能を妨げる経路の発見と共に、新しい治療法の開発を促す可能性がある。

    2021年9月号

  • 窒素を「削除」して有機分子の骨格を編集する

    容易に入手可能な出発物質から窒素原子を取り除くことで有機小分子の合成反応を進める、新しい概念の化学試薬が開発された。

    2021年8月号

  • ミューオン磁気モーメントの新たな理論計算と標準模型

    ミューオンの磁気モーメントの理論計算で、不確かさの大部分の元になっている効果の新たな第一原理計算結果が報告された。この計算結果は、長年にわたる謎を解決する可能性があるが、新たな謎も生んだ。

    2021年8月号

  • 見落とされていたタンパク質の架橋

    ジスルフィドとして知られる分子架橋は、多くのタンパク質の立体構造を安定化させているほか、タンパク質の機能を調節することもある。しかし、調節性タンパク質架橋は、ジスルフィドだけでなく、別のタイプもあることが発見された。

    2021年8月号

  • ニューラルインターフェースで思考を文字に変換

    運動機能や発話に麻痺のある人のコミュニケーションを助けるニューラルインターフェースが開発された。この技術では、手で文字を書こうと頭に思い浮かべるとコンピューター画面上でテキストに直接変換されるので、他の技術を使用した場合よりも速い入力が可能になる。

    2021年8月号

  • ガラスの原子構造の画像化に、ついに成功

    金属ガラス試料中の全ての原子の空間配置が実験的に決定された。ガラス研究者の長年の夢がかなうとともに、周期性を持たない固体の構造に関して、新たな知見が得られる可能性が出てきた。

    2021年7月号

  • 付け加えがちな私たち

    問題解決に関する心理学実験で、人々は、物、考え、状況などから要素を取り除く方が効率的であるときでも、要素を付け加える解決法を考える場合が多いことが分かった。

    2021年7月号

  • 腫瘍細胞表面に提示され、T細胞に認識される細菌ペプチド

    腫瘍細胞の表面には、腫瘍細胞に侵入した細菌のタンパク質断片が提示されていて、それは免疫系によって認識され得ることが分かった。この発見は、がん免疫療法に影響を及ぼす可能性がある。

    2021年7月号

  • リラックスして発毛促進

    マウスにおいて、ストレスホルモンが皮膚細胞を介してシグナルを伝達し、毛包幹細胞の活性化を抑制することが分かった。このストレスシグナル伝達を遮断すると発毛が刺激される。ストレスのある人は気を付けて!

    2021年7月号

  • 質量90ミリグラムの重力場を検出

    ニュートンの重力の法則は、2つの質量が約90mgと小さくても成り立っていることが実験で分かった。量子力学的な領域に入るほど弱い重力場の測定に一歩近づいた。

    2021年6月号

  • ミトコンドリアDNAが切断されると始まる免疫応答

    ミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官のDNA(mtDNA)が損傷を受けると、細胞は核内で免疫応答を開始する。今回、細胞がmtDNAの損傷を感知して核に伝える仕組みが明らかになり、細胞内で起こる細胞小器官と核の協調した免疫監視機構が見えてきた。

    2021年6月号