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  • 鳥の渡りの謎が解き明かされた

    技術が進歩し、過去から現代に至るハヤブサの渡りルートの形成に、気候と遺伝子の変化が及ぼした影響を研究する新たな方法が得られた。これは、渡りが将来どうなるのかを予測するのに役立つのだろうか。

    2021年6月号

  • がんを助ける裏切り者、脂質

    がんは、免疫抑制性の制御性T細胞の助けがあれば、免疫系による破壊を回避できる。制御性T細胞の活性は、腫瘍環境では脂質産生経路に依存しており、この脆弱性を標的としたがん治療が可能かもしれない。

    2021年6月号

  • 免疫細胞の代謝変化により老化した脳が障害される

    マクロファージと呼ばれる免疫細胞は、老齢個体では主要な代謝経路が遮断されることが分かっている。マウスでの研究だが、この状態にあるマクロファージの代謝を回復することで、加齢に伴う認知機能低下を軽減できることが分かった。

    2021年5月号

  • β細胞でインスリン作用を調整するブレーキが発見された

    インスリンは膵臓のβ細胞によって産生される。 今回、β細胞におけるインスリンシグナル伝達の調節因子が特定され、 この経路がβ細胞の生物学的性質において重要な役割を担っているとする 長年の考えが確固たるものになった。

    2021年5月号

  • 完全なリサイクルを可能にするバイオマスプラスチック

    プラスチックは極めて有用で現代社会に不可欠な材料だが、貴重な石油資源を原料とし、完全なリサイクルが難しく、環境中に残り続ける。今回、巧妙な分子レベルの設計によって、これらの問題全てを解決し得る、バイオマス由来の高性能プラスチックが開発された。

    2021年5月号

  • 神経機能代替デバイスによる血圧の維持

    脊髄損傷により血圧の維持ができなくなると、身体の衰弱を招く。血圧の安定に不可欠な反射を人為的に再現することで、この問題を回避できるようになった。

    2021年5月号

  • マグネターの巨大フレアを観測

    中性子星の一種、マグネターが引き起こす巨大フレアと呼ばれる爆発現象は、近傍の宇宙で発生したことがあるが、あまりに明るくて観測できなかった。今回、より遠くで発生した巨大フレアが観測され、この爆発現象の詳細がついに明らかになった。

    2021年4月号

  • 改良された幻覚剤

    幻覚剤イボガインの類似体が開発された。 この類似体は、動物モデルで依存症とうつ病に対するイボガイン様の治療作用を呈し、 しかも副作用は少なく、合成がはるかに簡単である。

    2021年4月号

  • 造血幹細胞はトウガラシの刺激で血中に動員される

    痛みを感知する神経細胞をトウガラシの成分で刺激すると、この細胞によって造血幹細胞が動員できることが分かった。今回の成果はマウスで行われた研究だが、この発見は幹細胞移植の手順を改善するのに有望である。

    2021年4月号

  • タンパク質制限食による老化防止機構

    動物を用いた2つの研究で、食餌からの分岐鎖アミノ酸の摂取を制限すると、mTORシグナル伝達経路が調節されて寿命が延びる可能性があることが示された。しかし、この食餌療法を人に推奨するには、さらなる研究が必要である。

    2021年4月号

  • 翼竜類の進化的起源を示す近縁動物

    恐竜類に近縁な既知最古の飛行性脊椎動物として知られる翼竜類だが、その進化的起源は2世紀にわたり謎に包まれてきた。今回、一連の化石標本の詳細な解析から、この謎に対する1つの答えが導き出された。

    2021年3月号

  • 高解像度3D印刷をわずか数秒で

    優れた特徴解像度と体積生成速度で3D固体物体を印刷できる、新たなボリューメトリック印刷技術が開発された。この方法は、2種類の光ビームを交差させることで生じる化学反応を利用している。

    2021年3月号

  • 血液の化学組成予想図

    ヒトの血液の化学組成を決定しているものは何なのか? 遺伝学的性質から生活様式まで、さまざまな要因の関与が評価され、食物と腸内微生物が血液の化学組成を予測する重要な要因となることが明らかになった。

    2021年3月号

  • 多様な群集中で、数百種の微生物を 識別し、空間位置を特定

    顕微鏡を用いて微生物のタイプごとに空間分布パターンを明らかにすることは、同時に多くのさまざまな種が観察されてしまうために限界があった。今回、新たな手法によって、この分野の研究が進展した。

    2021年3月号

  • ビッグバン直後の原子核反応を地下で測定

    ビッグバンの数秒後に起こった重要な原子核反応のこれまでで最も正確な測定結果が、イタリアの地下深くで行われた実験で得られ、宇宙の構成要素の知識が精密化された。

    2021年2月号

  • GPCRのアイソフォームが組み合わさって多様なシグナル伝達が生み出される

    GPCRファミリーに属する受容体タンパク質の多くに、複数のアイソフォームが存在する。このほど、ヒトのGPCRアイソフォームの組み合わせが包括的に解析され、細胞タイプや組織ごとに多様なシグナル伝達パターンが生み出される仕組みが示された。今回明らかになった機構は、創薬に影響を与えるものだ。

    2021年2月号

  • ネアンデルタール人のDNAがCOVID-19の重症化リスクを高める

    SARS-CoV-2感染に重度の反応を示す人々の中には、DNAのある部分をネアンデルタール人から受け継いでいる人がいることが、遺伝子解析によって明らかにされた。ただし、ウイルスに対する反応様式の違いの全てがこの祖先によるわけではない。

    2021年2月号

  • 胎盤の普遍的な発生過程

    哺乳類の胚の発生に関する知見は、主にマウスの研究に基づいている。今回、マウス、ウシ、ヒトの胚の間に顕著な類似性と興味深い相違があることが明らかになった。

    2021年2月号

  • 照らし出される変性意識状態の真相

    解離とは、周りの世界から隔絶されていると感じる状態である。このほど、解離は、単一層のニューロンのリズミカルな活動によって引き起こされることが分かった。

    2021年1月号

  • DNA組換えのDループの謎を解く

    相同組換えは、DNA分子間の遺伝情報の交換を可能にするDNA修復機構だ。RecAというタンパク質がその過程を取り仕切る様子が、構造解析で明らかにされた。

    2021年1月号