2014年1月号Volume 11 Number 1

脳科学で心が丸はだか?

考えていることが他人に分かってしまう?「脳情報デコーディング(解読)」と呼ばれるこの技術は、2001年に最初の論文が発表され、現在、研究が活発に行われている。当時は見ているものが猫か靴かを判別できる程度であったが、2013年4月にはATR脳情報研究所の神谷之康氏によって、夢で見ているものも解読できることが報告された。この技術をマーケティング活動に使えないかと考える企業や、捜査や裁判の証拠にできないかと考える専門家まで出てきた。

Editorial

科学者の研究評価を行う者は、特定の指標に重きを置いて研究のインパクト(影響度)を評価している。特定の指標を重視する際には、その指標がもたらす正負の影響を考慮し、また評価方法の公開をすべきだ。

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Research Highlights

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News

グルジアで出土した、単一集団とみられる約180万年前の頭蓋骨5点のうち、1つは飛び抜けて面長であった。この集団内に見られる個体差から、現在3種に分類されている初期人類は同一種にまとめられる可能性がある。

毛包は、毛髪を生み出し支える皮膚内の器官で、毛髪再生に重要だ。毛包の誘導は、これまでマウスでしか成功していなかったが、今回、古典的な培養法を用いることで、ヒト毛包の誘導にも成功した。

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Lin28aタンパク質を成体組織で発現させると、傷の治癒力を高めたり、毛の成長を速めたりするなどの効果がもたらされた。

アフリカのギニアで、携帯電話の中継塔を利用して雲間放電を観測し、そのデータに基づいて暴風雨を予報するプロジェクトが進められている。つまり、「雷センサー」による気象予報だ。この気象予報システムは気象レーダーを使わないため低コストで済む。

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News Features

脳活動のパターンをスキャン装置で捉え、その情報を解読することで、その人の考えや見た夢、さらには次に何をしようとしているかまで、読み取れるようになるかもしれない。

欧州宇宙機関(ESA)のガイア衛星が、これまでで最も高い精度で宇宙の地図を作成するミッションに着手しようとしている。

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Japanese Author

リンパ球といえば、抗原抗体反応、つまり「獲得免疫」で働く主役の細胞群として知られてきた。ところが近年、「自然免疫」で働くリンパ球が次々と発見され、この新種の細胞群は、「自然リンパ球」と総称されるようになった。こうした研究の火付け役の1人である小安重夫氏(理研・統合生命医科学研究センター)に、自然リンパ球とは何か、また発見の経緯について伺った。

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News & Views

日周性の脂肪代謝は、筋肉と肝臓に存在する2つの核内受容体の間で、1つの脂質メッセンジャーを仲介物資として受け渡しすることで調節されていることが分かった。このシグナル伝達経路から、代謝に異常を来すさまざまな疾患についての理解が進むかもしれない。

非常に遠方にあるとみられる43個の銀河の分光測定が行われ、その1つが、これまでに確実な方法で距離が測定された中で最も遠い銀河であることが分かった。この銀河では、私たちの銀河系(天の川銀河)の100倍以上の速さで星が生まれていることも分かった。

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News Scan

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