2018年5月号Volume 15 Number 5

若者の危険行動を科学する

10〜19歳の死因に関するWHO調査で、10代後半の男性の死因の多くが、道路での負傷や対人暴力など「危険行動」と関係したものであり、その割合は、10代前半の男性や女性に比べて圧倒的に高いことが示された。青年期の若者はなぜ危険行動をとるのだろう? 反抗心やホルモンバランスにより駆り立てられる、という単純な理由ではないことが、神経科学の手法を用いた研究から最近分かってきた。

Editorial

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Publishing Academy

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News

宇宙の最初の星たちの光がビッグバンの残光に残したとみられる痕跡が、初めて見つかった。予想外の観測結果は、暗黒物質の手掛かりにもなるかもしれない。

とどめておくことが難しい反物質を容器に貯蔵して輸送し、放射性原子核を調べる実験に利用する計画が始まった。

遺伝子編集技術CRISPR–Cas9系を利用して、細胞内で起こるさまざまな出来事をその細胞内に記録できることが報告された。

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News Feature

青年期の危険行動は単に反抗心から生じるものではない。神経科学による取り組みから、若者の危険行動には、彼らを取り巻く濃密で繊細な人間関係が関わっていることが明らかになってきた。

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Japanese Author

生命科学の研究方法として、「シングルセル(単一細胞)解析」が大きな注目を浴びている。臓器に含まれる細胞を個別に解析していく研究方法であり、細胞集団を解析して平均値を捉えるこれまでの手法では見逃されてきた新しい細胞種、また、これまでにないレベルでの細胞機能を解明できるようになった。この分野で新技術の研究・開発を進める二階堂愛・理化学研究所ユニットリーダーと、今回の完全長RNAの解析技術「RamDA-seq」の開発を担った林 哲太郎研究員たちに話を伺った。

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News & Views

脳の外側手綱核のニューロンが一斉に連続発火する「バースト発火」は、近隣のアストロサイトによって調節されることが突き止められた。この研究は、ケタミンの抗うつ作用の機序についても理解をもたらし、次世代抗うつ剤開発の助けになる可能性がある。

扁形動物プラナリアと、メキシコサンショウウオのゲノム塩基配列が解読、再構成された。これらの情報から、これらの2種の生物の驚くべき再生特性に関する知見が得られるだろう。

圧縮すると酸化還元反応を起こす分子が作製され、数々の実験と第一原理計算から、機械的な力で誘起される反応機構に関して待ち望まれていた原子レベルの知見が得られた。

「脈動オーロラ」は、地球大気中で発生する見事な光のショーだが、この現象は宇宙空間で起こっているプロセスに直接関係している。数十年に及ぶ研究の末、今回、脈動オーロラを作り出す一連の現象全体が観測され、その仕組みが詳細に確認された。

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News Scan

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