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2020年11月号Volume 17 Number 11
動物は実際、何を考えているのか
目や耳、鼻、そして皮膚から、脳に絶え間なくやってくる大量の情報。全ての情報は脳で処理され、最終的には、動物の運動や思考といった形で出力される。こうした行動を調整する感情や欲求などの心の状態は、脳でどのように生み出されるのだろう。ニューロンの活動を捉える技術の進歩に後押しされ、神経科学者たちはおびただしい数のデータを精査し、その仕組みに迫ろうとしている。精神疾患の理解、ひいては治療にもつながるはずだ。
Editorial
Publishing Academy
学術界サバイバル術入門 — 査読をする①:査読依頼を引き受ける
査読依頼が来たらどうすればよいでしょう? 有能な査読者になるための3つの重要な側面を、これから数回に分けてお話しします。
News
メガコンステレーションの天文観測への影響と対策を示した報告書
大規模な衛星コンステレーションが天文学に及ぼす影響について、これまでで最も詳細な報告書が発表された。報告書では、衛星コンステレーションの天文観測への悪影響は不可避であると結論付けられており、緩和戦略が提示されている。
太陽系の試料を持ち帰る探査機たち
人類が地球に持ち帰ってきた月や小惑星、彗星、それから太陽風の中の岩石や微粒子は、太陽系に関する我々の理解を大きく変えてきた。
NASAの探査車「パーサビアランス」が火星へ
現在火星に向かっているNASAの探査車「パーサビアランス」は、将来、別の探査機に持ち帰らせるための火星の岩石試料を密封して保存する他、火星の音を初めて人類に届ける予定だ。
ウイルス種の命名法の標準化を巡る議論
国際ウイルス分類委員会が提案した新ルールが賛否を呼ぶ中、今は議論をしている状況ではないとの声も少なくない。
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新型コロナウイルス研究注目の論文(10月)
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)とその感染症(COVID-19)に関する文献で重要なものをNature が精査し、まとめた(2020年10月)。9月分はこちら。
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感染拡大が続く米国が抱えるCOVID-19データ共有問題
COVID-19の広がりを追跡し、封じ込めるには、情報の共有と活用が欠かせない。しかし米国ではデータの公開が遅らされ、さらにはデータに欠けがあるという。その原因は、政府の干渉と、長年にわたる公衆衛生データ管理の軽視にある。
News Features
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再開の道を模索する大規模大学
米国では、現在も多くの州で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている。そうした中、大学は数百万人の学生をキャンパスに迎え入れようとしていて、キャンパス内外の感染制御に、独自の検査やアプリなどを導入した大学もある。
動物は実際、何を考えているのか
神経科学者たちは、おびただしい数のデータを精査して、攻撃性や欲求などの心の状態および感情を脳が生み出す仕組みを明らかにしようとしている。
Japanese Author
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統計学と情報学で病気を解き明かし、個々の患者に合った医療へ
多数の遺伝要因が積み重なって起こる「複雑疾患(多因子疾患)」。糖尿病や心筋梗塞、統合失調症など、大半の病気がそうだ。そのような病気の解析手法である「ゲノムワイド関連解析(GWAS)」を用いて、次々と研究成果を発表してきた鎌谷洋一郎・東京大学大学院メディカル情報生命専攻教授。GWAS研究は一時の停滞期からなぜ再び注目を浴びるようになったのか。世界の研究の潮流と今後の抱負について話を聞いた。
News & Views
一方向だけの超伝導を実現
ある方向の電流を流すと超伝導状態になるが、その逆方向の電流を流すと超伝導状態にならない(常伝導になる)薄膜が作られた。これは、電力消費が極めて低い電子工学素子の実現につながるかもしれない。
タンパク質分解誘導薬の適用範囲が広がった
細胞の内部でタンパク質の分解を誘導する分子は、これまでにも作製されている。今回、新しいクラスの分子によって、膜タンパク質や細胞外タンパク質の分解が誘導可能になり、創薬への道が開かれた。
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免疫系の謎を突き付けるCOVID-19
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫応答が、人により大きく異なる理由は分かっていない。患者の免疫応答を経時的に追跡する新たな研究により、この問題に対する手掛かりと、重症度を予測する方法に関する示唆が得られた。
芳香環から出発しない型破りなアニリン合成法
ベンゼン環などの芳香環を含む有機化合物の合成では、既存の芳香環を構成要素として、そこから分子を組み立てることが多い。今回、芳香環を反応の過程で形成するという革新的な方法で、極めて有用なアニリン類を合成できることが示された。
News Scan
微粒子大気汚染と死亡率
致死的な関連を示す最も強力な証拠。
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