2020年7月号Volume 17 Number 7

オピオイド危機と闘う科学者

神経科学者であるノラ・ボルコフ(Nora Volkow)は、依存症と脳の関連を示す数々の発見と共に、依存症は心の弱さではなく脳の疾患であるという考え方を浸透させたことで知られる。ロシアの革命家トロツキーの孫でもある彼女を突き動かしているのは、依存症患者が差別を受ける社会を変えたいという思いだ。2003年から薬物依存研究に対する世界最大の研究資金配分機関、米国立薬物乱用研究所(NIDA)を率いている彼女は今、米国に蔓延するオピオイドと闘っている。

Editorial

Top of page ⤴

Publishing Academy

Top of page ⤴

News in Focus

北極上空で巨大なオゾンホールが形成された。北半球のオゾンホールとしてはおそらく観測史上最大であり、その大きさは南半球で毎年形成される南極のオゾンホールに匹敵する。

論文著者の望月新一・京都大学数理解析研究所教授は数論の重要な未解決問題を解決したと主張しているが、一部の専門家からは、論文の致命的な欠陥は修正されていないとする声が出ている。

Top of page ⤴

Feature

Nora Volkowは依存症研究に対する世界最大の研究資金提供機関を率いている。彼女は今、オピオイド蔓延問題における自身最大の試練に直面している。

Top of page ⤴

Comment

Top of page ⤴

News & Views

電気的に中性なラジカルを光で励起すると、強力な化学還元剤になることが見いだされた。意外にもこのラジカルは、強力な励起状態酸化剤として長く使用されてきた、正電荷を持つ前駆体から生じる。

アポトーシスと呼ばれる過程によって起こる細胞死では、周囲の組織の炎症が抑制されている。今回、アポトーシスを起こして死にかけている細胞が、機能的な代謝分子混合物を放出することが見いだされ、どのようにして周囲の生きている細胞に影響を及ぼしているのかが明らかになった。

DNAを損傷する分子を産生する腸内細菌と大腸がんとの関連性が指摘されている。これらの細菌によって引き起こされる変異シグネチャーがヒト大腸がんで同定されたことは、この関連性を支持する知見だ。

鏡の中の世界の反粒子は、こちらの世界の粒子と同じように振る舞うはずだと考えられていた。しかし、レプトン(ニュートリノや電子など)は、この予想に従わないかもしれないことが分かった。

Top of page ⤴

News Scan

Top of page ⤴

Where I Work

Top of page ⤴