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2021年8月号Volume 18 Number 8
マイクロプラスチックは有害なのか?
海洋動物や私たちの体内にも見つかる微小なプラスチック片。生態系や人体にどんな影響を及ぼすのか、実は、まだ分かっていない。プラスチックは毎年約4億t生産されるが、分解されるまでには何十年もかかる。蓄積する一方の「時限爆弾」は危険なのか、リスクはそれほどないのか、研究者たちは大急ぎで調査を行っている。
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AMEDが企業所属経験のある評価委員候補者を募集中
Editorial
News in Japan
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地球環境問題に挑む若手研究者たちがフィル・キャンベルから得たヒント
2021年3月、京都大学の若手研究者4人とシュプリンガー・ネイチャー編集長のフィリップ・キャンベルが、「学問の挑戦と機会:若手研究者とSDGsを越えた先の未来を見据えて」と題する座談会で議論を戦わせた。この座談会は4人に何をもたらしたのか。後日、彼らに話を聞くことができた。
News in Focus
風変わりなウイルスDNAが生物学者に秘密を漏らす
細菌に感染するウイルスには、通常とは異なる核酸塩基で遺伝情報を書き込む特殊な酵素がある。
準結晶は人類初の核実験で生まれていた!
1945年に原子爆弾の爆発実験で偶然生成された鉱物中に、新たな組成を持つ未知の準結晶が見つかった。
超巨星ベテルギウスが暗くなったわけ
超巨星ベテルギウスの2020年の減光は、星が吐き出したダストのためだったとみられることが、高解像度画像とシミュレーションで分かった。
有望なマラリアワクチン、より厳格な試験へ
ある開発中のマラリアワクチンが、初期の臨床試験で乳幼児に対して77%のマラリア予防効果を示すことが分かった。今後、より大規模な試験が待たれる。
PLOSが新刊学術誌5誌と新出版モデルを発表
オープンアクセス出版社であるPLOSは、生物医学分野以外の学術誌5誌を創刊すると発表した。それにとどまらず、同社の既存の学術誌において、論文出版コストのより公平な配分を目的とする新たなビジネスモデルを立ち上げた。
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新型コロナウイルス変異株の呼称はギリシャ文字に
WHOは、新型コロナウイルス変異株の呼称をギリシャ文字とすることを提唱した。人々の間に混乱を引き起こしたり、特定の国に汚名を着せたりするのを避けるためだ。
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ワクチンの利益とリスクを一人一人が正しく理解するための対話とは
米国では、あるCOVIDワクチンで稀に血栓症が起こることが報道された後、接種をためらう人が増えたことが、ある世論調査で分かった。人々は専門家にどのような情報を求めているかを探った。
Features
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COVIDワクチン接種開始から半年、ワクチンについて分かったこと
新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が、各国で競うように進んでいる。研究者たちはその効果を分析中だが、一方で、ウイルスの変異株が続々と出現する状況に懸念を抱いている。
マイクロプラスチックは有害なのか?
あらゆる場所で見つかるマイクロプラスチック。海洋生物や私たちの体内に見つかるこの微小なプラスチック片がどのような影響を及ぼすか、研究者たちは大急ぎで調査を行っている。
World View
AI冷戦の勃発を阻止せよ
人工知能の軍事利用が急増すれば世界の安全は損なわれる。私たちは倫理と国際協調を重視しなければならない。
News & Views
窒素を「削除」して有機分子の骨格を編集する
容易に入手可能な出発物質から窒素原子を取り除くことで有機小分子の合成反応を進める、新しい概念の化学試薬が開発された。
ミューオン磁気モーメントの新たな理論計算と標準模型
ミューオンの磁気モーメントの理論計算で、不確かさの大部分の元になっている効果の新たな第一原理計算結果が報告された。この計算結果は、長年にわたる謎を解決する可能性があるが、新たな謎も生んだ。
ニューラルインターフェースで思考を文字に変換
運動機能や発話に麻痺のある人のコミュニケーションを助けるニューラルインターフェースが開発された。この技術では、手で文字を書こうと頭に思い浮かべるとコンピューター画面上でテキストに直接変換されるので、他の技術を使用した場合よりも速い入力が可能になる。
見落とされていたタンパク質の架橋
ジスルフィドとして知られる分子架橋は、多くのタンパク質の立体構造を安定化させているほか、タンパク質の機能を調節することもある。しかし、調節性タンパク質架橋は、ジスルフィドだけでなく、別のタイプもあることが発見された。
Advances
イッカクの記録
その牙に北極の環境変化が刻まれている。
Where I Work
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