2006年2月号Volume 3 Number 2
Editorial
News Features
自然災害が引き起こす大混乱
この1年あまり、世界各地で自然災害が猛威をふるった。そして、その規模はこれからも拡大し続けると一部で予想されている。今後、大災害による被害増大が予測される世界の諸地域について、Quirin Schiermeierが検討した。
消えゆく湿地
2005年8月に米国を襲った巨大ハリケーン「カトリーナ」は、ルイジアナ州の湿地にも打撃を与えた。専門家たちはその被害の大きさを見積もろうとしている。何を救うことができ、何は救えないのか。Emma Marrisがルイジアナ州の沿岸地域を訪ねた。
永続的な復活をめざして
2004年12月の大津波で失われた海岸の林を再生させたい。いずれ来る暴風雨への備えを考えればなおさらだ。しかし、それを成功させるには適切な配慮が必要だ、とErika Checkが報告する。
Japanese Author
生殖細胞の減数分裂に関する新しい遺伝子を発見(松居 靖久)
東北大学加齢医学研究所の松居靖久教授は、生殖細胞の分化に関する研究を16年間続けてきた。最近、減数分裂開始後の一時期だけ発現する遺伝子の構造と機能を明らかにし、Nature 2005年11月17日号に発表。松居教授に研究テーマとの出会いや研究生活を通じて得たことなどを語っていただいた。
News & Views
カビが3 つ寄ってわかること
コウジカビ属の3種のカビのゲノム配列が解読された。これらのゲノムの比較から、カビが病原性となったり、人間の役立つものになったりするのを決める要因など、いろいろなことが明らかになった。
Japan News Feature
首都直下地震は迫っているのか?
昨年、震度5を上回る地震が相次いだ南関東地域。その地下は世界で最も複雑なプレート構造をなしており、地震の巣とよばれる。首都東京に壊滅的な被害をもたらす可能性のある直下地震について、北原逸美が取材した。
Nature Gallery
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた最も鮮明なオリオン星雲
米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡がオリオン星雲(M42、NGC1976)をこれまでで最も鮮明に撮影することに成功し、その結果は2006 年1 月11 日ワシントンDC の米国天文学会で発表された。
News
物質と反物質から分子ができた?
ポジトロニウムの結合が化学の新しい世界を開く。
リスクを察知する脳のしくみ
不確実性は脳の感情中枢を活性化させる。
英語でNature
海洋保護区に予想外の効用
今月の「英語でNature」では、news@nature.com から生態学に関するNEWS を取り上げました。日本人にとっては親しみづらい英熟語が頻出しています。ライターの文学的素養もうかがわれる、多彩な文章表現をお楽しみください。