2006年8月号Volume 3 Number 8
Editorial
News
成人の細胞に胚性幹細胞のパワーを授ける
成人の細胞を初期化し、損傷を受けた組織や臓器の修復に用いる。もしかしたら、これは考えられているほどむずかしいことではないのかもしれない。
News Features
科学する惑星―夏至の日
科学者たちは日々、地球上のあらゆる場所で、あるいはその外側で、私たちが住むこの世界を理解しようと努力を続けている。ここに紹介するのは、そんなある1 日の群像だ。2006 年6 月21 日、北半球でいうところの夏至の日―。
遺伝子を編み出すウイルス
ウイルスは単純な生き物とみなされがちだ。しかし、その遺伝子は驚くほど多様で、また、遺伝情報の交換が極めて容易に起こることから、進化上すぐれた創造力に富む存在であるともいえる。Garry Hamilton が報告する。
News & Views
不要な物を片づけて細胞内をすっきりと
細胞の自食作用であるオートファジーは、ストレスによって引き起こされることがあるが、定常的にも起こっていて、不要なタンパク質を処分する「ハウスキーピング作業」を行っている。この過程が神経変性疾患を防止している可能性はあるのだろうか?
Business News
前途多難な携帯用燃料電池
携帯機器用の新たな電源として小型燃料電池の開発が進んでいるが、まだその実用段階にはない。Kurt Kleiner が報告する。
Japan News Feature
プリオンの謎、謎、謎
いまだに謎の多い感染性タンパク質様病原体、プリオン。BSE 由来の変異型クロイツフェルトヤコブ病をはじめとする、プリオン病解明への糸口と感染阻止の手だてを探る。
News
ゴッホの描いた完璧な乱流
精神を病んでいた画家ゴッホは流体流動の形態を正確に直観していた。
獲物の感知
吸血コウモリは獲物の呼吸音を覚えている。
フルーティーなプラスチック
果糖がポリエステルの原料になる。
1 つの幹細胞から生まれた卵と精子
技術の進歩によって、不妊で悩む人にも子どもができるようになるかもしれない。
英語でNature
身内のみが知り得る秘訣をオンラインでシェアする方法
今月は、さまざまな分野の研究者に共通の話題として、研究手法の公開・シェアについて取り上げたNEWS 記事を紹介します。やさしい英語でまとめられているので、まずは語句解説を頼りに記事に目を通して、p.28 の参考訳で正しく理解できたかを確認してみましょう。