2006年7月号Volume 3 Number 7
Editorial
News Features
エピジェネティック・コード
ゲノム上に書かれたDNA の「楽譜」を正しく演奏するために、細胞はゲノムDNA の上位にある暗号、すなわち「エピジェネティック・コード」とよばれる音楽記号を読み取る必要がある。このしくみの解明を目指す国際的な取り組みの動向について、Jane Qiu が報告する。
太陽の嵐が近づいている
太陽から地球に吹きつける荷電粒子の嵐は、ときに人工衛星を故障させることもある。こうした太陽嵐の予測はむずかしいが、一部の物理学者たちの予測によると、ここしばらくのうちで最も大きな嵐が迫っているという。Stuart Clark が報告する。
Japanese Author
35 億年前のメタン生成菌をオーストラリアで発見(上野 雄一郎)
東京工業大学の上野雄一郎助手らは、西オーストラリアにある35 億年前の地層の鉱物中に生物が作り出したメタンがあることを発見した。これは当時、すでにメタン生成菌が存在していたことを示し、これまでの記録を7 億年も塗り替えるメタン生成菌の最古の証拠となった。この研究成果はNature 3 月23 日号で発表された。
News & Views
細菌をやっつけるダイオード
従来のどんなダイオードよりも波長の短い光を放射するダイオードは有害ではあるが、技術的には非常に有望である。しかし、この期待が確実に実現されるためには、さらなる研究が必要である。
Business News
生き残りをかける日本の大学発ベンチャー企業
大学の研究者による起業が花盛りだ。しかし、そうしたベンチャー企業は成功に不可欠な資金を確保できているのか。冬野いち子が探る。
News
単純な響きが確実な投資への鍵
発音しやすい名前の銘柄はよく売れる。
バッタの大群が生まれるとき
昆虫の密度が臨界に達すると集団行動につながる。
透明マントはもう目の前
物体を見えなくする2 つの新しい方法が発表された。
腸内細菌で食物が高カロリーに
ある種の腸内細菌を多くもつマウスは太っている。
Special Report
ネット上での名指し告発に潜む恐怖
中国で過熱化する科学的不正への批判に対し、文化大革命時に行われたいわれのない迫害の歴史を彷彿させるという懸念を抱く人たちがいる。David Cyranoski が報告する。
英語でNature
経済物理学者の重要性
今回から「英語でNature」が3 ページになりました。長さだけではなく、内容もレベルアップしています。ページをめくって参考訳を見る前に、単語・成語や科学用語の解説を手がかりに少しでも読み進んでみましょう。
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