Letter Hes7タンパク質の不安定性が体節形成時計に重要である 2004年7月1日 Nature Genetics 36, 7 doi: 10.1038/ng1372 マウス胚の体節形成過程では、一対の体節が2時間ごとに未分節中胚葉から分離して形成される。このことは体節形成が2時間周期の生物時計によって制御されていることを示唆している。Notch情報伝達のエフェクターである塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス因子Hes7の発現は、負のフィードバックによって制御され、2時間周期で増減が繰り返される(振動する)が、これが体節形成時計の分子基盤であると提案されている。この提案が正しいならば、この時計はHes7の短い寿命に決定的に依存しているはずである。Hes7の不安定性の生物学的重要性を検討するために、我々は、正常なリプレッサー活性をもつが半減期がより長い(野生型Hes7の約22分に比較して約30分)Hes7変異体を発現するマウスを作製した。これらのマウスでは、体節形成および周期的な発現が、正常な数サイクルの体節形成の後に大幅に乱れることになった。我々は、直接的自己抑制モデルを使用して、数学的にこの効果をシミュレーションした。以上の結果から、Hes7の不安定性は、持続的な振動と体節形成時計としての機能に必須である。 Full text PDF 目次へ戻る