Article 心電図:22座位にみられる多型がQRS間隔と心室伝導に関連 2010年12月1日 Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.716 QRS間隔は、心電図におけるQ波の開始点とS波の終止点の間隔であり、心室の脱分極と刺激伝導時間を反映しており、死亡率、急死、心不全のリスク因子である。我々は40,407人のヨーロッパ系の人についての14の研究のゲノムワイドメタ解析を行い、さらに7,170人のヨーロッパ人のゲノム解析を追加して行い、QRS間隔に関連する22個の座位を見つけた(P<5×10−8)。これらの座位はNaチャンネル、転写因子、Ca処理タンパク質など心室伝導にかかわる既知の役割をもった経路内の遺伝子内かその近傍に位置しているが、これまで未知であった生物過程、たとえばキナーゼ阻害因子や発がんに関連したものもある。我々は、この研究で最も高い有意性を示した座位の候補遺伝子であるSCN10Aが、マウスの心室刺激伝導系で発現し、SCN10Aの選択的抑制因子がQRS間隔を延長することを証明した。この発見は心室の脱分極と刺激伝導についての知識を拡大するものである。 Full text PDF 目次へ戻る