Technical Report 逆育種:シロイヌナズナの逆育種によってヘテロ接合の植物体からホモ接合の中間母本が作製される 2012年4月1日 Nature Genetics 44, 4 doi: 10.1038/ng.2203 従来、雑種種子は、選択された近交系植物の交雑によって生産されている。今回我々は、生育力の強い雑種個体からホモ接合の中間母本が作製されるように減数分裂を単純化する「逆育種」という新たな方法に関して、その考え方の実証を行った。シロイヌナズナの雑種を用い、減数分裂の組み換えタンパク質であるDISRUPTED MEIOTIC cDNA1をコードするDMC1をサイレンシングすると、組み換えられていない親の染色体が減数分裂で分離した。それに続き、得られた配偶子を半数体植物の成体に転換させてからホモ接合の二倍体を作製すると、それぞれが元の雑種のゲノムの半分を持つこととなった。ホモ接合の36系統から相補的な親のペア(6組のうち)3組を選択すると、相互交配によって元の雑種を再生させることができた。また、この方法では、染色体置換系統の完全なセットが得られた。この方法により、分離集団から1つだけ選んだ子孫を選択することが可能となり、ホモ接合の母本を作製することによってそのヘテロ接合の遺伝子型を保存することができるようになった。 Full text PDF 目次へ戻る