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BMI:日本人集団のゲノムワイド関連解析によるBMIに関わる112の新規座位の同定
Nature Genetics 49, 10 doi: 10.1038/ng.3951
肥満は多種多様な健康障害のリスク因子である。本研究では日本人(n = 17万3430)のボディマス指数(BMI)に関してゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施し、肥満と有意に関連している85の座位を見いだした(P < 5.0 × 10−8)。そのうち51はこれまで関連が知られていなかった座位であった。これらの結果をヨーロッパ人におけるGWASの結果と統合し、複数の祖先集団を対象としたメタ解析を行うことにより、さらに61の新規座位が同定された。合わせて112の新規座位が同定されたことで、既知のBMI関連座位の数は倍増したことになる。関連を有するバリアントについて細胞型に特異的な発現調節機構情報を用いて検討したところ、バリアントはCD19陽性細胞に偏在していることが分かった。さらに、BMIとリンパ球数(P = 6.46 × 10−5、rg = 0.18)、BMIといくつかの多因子疾患との間に有意な遺伝学的相関があることも判明した。これらの知見はリンパ球が体重制御に関連していることを示す遺伝学的証拠であり、肥満の病因を理解する上で役に立つものである。